第103回 関東三土会(2009年05月16日)

総括


司会:松川 レポート:三上 写真:大塚
今月は、2週間前に100回大会を行ったばかりでもあり、出品、参加人数も少々少なめでしたが、鈴木さんの実に興味深い特別講演が最後にありました。また 痛系アンプが続々登場しそのバラエティーも行灯型、フィギィア・ディスプレイ型から、なんと隠れ痛という新カテゴリも登場しました。出展数は少な目でした が、実に内容の濃い三土会でした。

出品作品

あんどん型 痛アンプ 堀尾 さん
811シングルあんどん型痛アンプ (堀尾さん)
プリンタ用和紙をアクリル塗料で貼り行灯をつくりUV811の淡い光で柔らかく点灯。
アンプの構成は、ドライバーアンプが別シャーシのえびドラ方式で+-60Vスイング。
効能は、いたなごむ感じの優しい癒し系の音。
出品者のコメント:
痛アンププロジェクトも第参段でございます。
シャーシに痛材を貼っても、正面から見ると絵が見えません。
じゃあ、どうしよう??そうだ、行灯にして後ろからトリタンで照らしてやれ!
というのが、このアンプの発想です。

えびドラ設計の蛯名さんに感謝!

A2134シングルアンプ 佐々木 さん
A2134シングルフィギアディスプレイアンプ(佐々木さん)
フィギアを飾るために、小型のトランスをシャーシ内に組み込む必要がありプレート電流20mA位しか流せない点が難しい。トロンボーンの音が柔らかくいぶ し銀のようにひびきわたった。フィギアは2nd.GIGの少佐とフィーナ。別の曲では透明感が冴えていた。0.61Wとは思われない豊かさ。草薙素子の フィギア欲しいーっ。
出品者のコメント:
デスクトップ用の小規模システムで、フィギュアを飾るための専用アンプを製作しております。作るアンプは、製作費一万七千円くらいで、出力1W前後です。
今回のアンプは、6201-A2134-6X4 出力は0.86Wです。すみません。
A2134は、もっとプレート電流を流せる球で、プレート電流を多く流して、大きな出力トランスにすると、ST管顔負けの音がするようです。ちょっと勿体ない使い方かも。
当日は、途中退場で申し訳ありませんでした。撤収準備でバタバタして、他の発表者の方々に失礼だったかなと反省しております。
あと、SACは、私も好きです。草薙素子は、もう一個持ってるので、大塚氏経由で要相談。転売屋でないので、別にボラないですから。。。

IGBTアンプ 大塚 さん
ご存知IGBTアアンプ(大塚さん)で、電車などの大電力の制御に使用するデバイスをオーディオアンプに採用。音は賑やかになった感じですね。
出品者のコメント:
第101回 関東三土会において発表した、当会蝦名氏設計の無帰還半導体アンプの小改造です。
終段をFET(J115/K405)から、コンプリメンタリのIGBT(GT20D101/GT20D201)に置き換えてみました。

FETとは明らかに音が変わるようで、無帰還半導体アンプの特徴が薄れ、現代音楽向きの音になる気がします。

半導体ドライブ 2E24シングル 大塚 さん
2E24アンプ(大塚さん)
日米で買ったオムロンのタイマを搭載するために75Vのスタビロ2本を150V1本にしてリレー用のソケットスペースを確保。スタビロの安定放電のために 個別にRをだかせた。NFBを6dBから9dBと少し多めにしてある。平滑回路も若干簡素化。G線上のアリアが渋くひびく。渋すぎでアニソンに架けかえし ました。
出品者のコメント:
先月に引き続き、蝦名氏の設計した半導体ドライバーアンプにより出力段(2E24)をスィングするシングルアンプです。

見た目においては、真空管をすべてGT管にそろえてみました。
とりあえず見た目がすっきりして満足です。

回路においては、先月頂いたオーディエンスサーベイを元に、各所手直しをしてみました。
先月ご指摘を頂いた遅延リレーまわりの危険性はかなり下がったように思います。
また、K-NFBの量を6dBから9dB(概算)ぐらいに増やしてみました。
ひずみは減りましたが、普通の音になってしまいました。
これを是とするか非とするかは好みの問題のようです。
ちなみに私は「非」です。そのうち元に戻します。

なお、当日回路図を忘れてしまったので、こちらに張っておきます。

ラックスの古いアンプ 関口 さん
ラックスの古いアンプ(関口さん)
物置から出てきたLuxKitA-802II 15Wx2のアンプ。
1本1万円のラインケーブルでつないで音だし、なかなかヨイ音でした。
前段のプリアンプがよかったから?
出品者のコメント:
LuxKit懐かしいですね。
LUXKITのすべて56という回路図集に 当時の私のAMPが乗っかってます。
お持ちの方は、探してみてくださいませ。。。

LUXKITは、506というch200Wのアンプ、メータのついた、902というch100wのアンプ他があります。
A3500(6CA7pp)は、実家で捨てられてしまいました。

さて、この802の回路図張っておきます。
http://aqu-takako.com/virtual_html/cgi-local/joyful27/img//151.jpg

さて、プリアンプで 大塚さんの単段のAMPを鳴らしてみたいという衝動に駆られています。
PE-101A 松川 さん
PE-101A スピーカー(松川さん)
PE101から30年ぶりにPE101Aに復活リニューアル。買いに行ったら2回も売り切れで、予約で3度目で入手。小型の箱でも結構な低音が出ていました。まだエージング途中とかか。エージングがすすんだら、さらによくなるでしょうね。
出品者のコメント:
製作当時のことは はっきり覚えていないのですが、たっぷりと砥粉が塗ってありやすりをかけてもなかなか木目が出てきませんでした。外側は木目調壁紙(のり付き)はぎれで安 くなっている物です。吸音材は何と脱脂綿がつまっていました。(高かったと思います)。音はエージングが未完ですがやや堅い感じの音です。(昔もこんな音 から始まったのか?)皆さんにエッジを触っていただきましたが余り効果がないような、、
Peerles 830987 見元 さん
ピアレス830987(見元さん)
バッフル板を強化。以前のモデルは4ミリのMDFだったが、今回は複合構造で最厚部が9ミリと強化して結果すっきりとした音になりました。つややかさでは、まだ前作に分があるので、これからチューニングとのこと。皆さんから前作よりよいのではとの声しきり。
出品者のコメント:
新作と旧作を比較すると、新作のほうがすっきり・はっきりした音を出します。ですから、第1印象で新作のほうが良いと感じた人が多かったのは理解できま す。ですが、旧作はやわらかくしなやかでつやのある音を奏でます。じっくりと聞き込むと、旧作のほうが音楽性は豊かなことがわかります。というわけでこの 新作は失敗だと判断しました。旧作の常識では考えられない構造は伊達ではないということです。というわけで、新作を1から作り直すことにしました。次回作 をお楽しみに。
CDP(44.1kHz/88.2kHz) 前田 さん
44.1/88.2KHz CDP(前田さん)
CDとDVDビデオから落としたソースの比較(スカイガールズ)。CDのほうが音が悪いのに気づいて調べてみたら、CDのほうはレベルがいっぱいでリミッ タををかけたりして音をいじっているようです。DVDの音のほうが無加工で自然な音がします。ウッドシャーシのCDPの上蓋をあけるとなんと隠れ痛CDP でした。チェンバロの録音は、88.2KHzと44.1KHzでの比較をしましたが微妙に88.2KHzが自然で伸びやかな音に聴こえました?
出品者のコメント:

バリバリのクラシックファンの前田です。
学生時代に『ロ短調ミサ』を聞き、続いてシャルパンティエの『死者のためのミサ曲』を聞くに及んで宗教音楽にはまりました。クラシック一筋!だか らベートーベンが涙を流して叫んだ『モッ、モモエチャン』(知らんか?)の曲も好きです。なんといっても『山口百恵は菩薩だ』という本があるくらいだか ら、宗教曲かもしれません。


DACは上野さんの74AC574の24bit-R-2R DAC。抵抗は18k/36kの高精度測定品(の積もり)です。以前三土会で出したものの箱を変えたりしたもので, DAC分科会の記事に記載のものです(No.1200前後)。YASUE方式でニス塗装してあります。


アニソンにも良い曲はあるのですから、CDはちゃんと作っていただきたいと思います。
『時をかける少女』のエンディング、『ガーネット』のCDはDVDと同じでしたが、『電脳コイル』のエンディング、『空のかけら』のCDは少しコンプレッションがかかっているように見えます。もったいない。
多自由度バスレフについての講義 鈴木 さん
鈴木さんによる気体の状態方程式から共振周波数を計算するMCAS方式の多自由度バスレフについての特別講演が行われました。高度な数式を駆使して計算し ますが、その結果は、先の100回大会での視聴で極めて良好な成果を出しており、参加者の注目を集めました。今回は理論的な面から解説していただきました が、活発な議論が展開し、これまでのバスレフ方式のモデルのいい加減さ?とまだまだ研究の余地があることがわかり、スピーカーにもさらなる未来と可能性が あることがわかりました。この方式による低域の再生限界と効率性がとても興味深いところですが、現状30Hz程度は容易にクリアできているとのこと。 20Hzフラットへの挑戦が続きます。
出品者のコメント:
講義というほど高尚なものではなく、皆様の前での発表は緊張しました。
バスレフシステムは、発展性があり面白い方式だと思います。ワンパターンのシングルバスレフだけでなく、いろいろな組合せのバスレフを検討してみたいと思います。
現状では、30Hz位に実用的な限界があり、20Hzまでは長い道程がありそうです。

資料は下記にありますので、ご参照ください。
http://www.geocities.com/sg_suzuki/documents/Sandokai-Web.pdf

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