別府式アンプの出力トランジスタが最適ではなかったので、交換してみました。Cobの値を示したのは、Pcの小さなTrほど音が良いと別府氏がコメントを読んだためです。6種類くらいの容量の違うTrを測定したところ、Cobが大きいものは、チップサイズが大きくなり、これに伴いCecも大きいと予想され、この容量が電源ノイズを出力してしまう傾向があることを実験で確かめています。ちなみに、2SA1015/2SC1815はCobが小さく、もれノイズは観測できませんでした。そして、Trを交換したら音が良くなりました。出力段のTRの選択も重要ですね。
設計者です。力作を拝見致しました。2SC5171はchip1stopにて在庫があります(2013/8/25現在)。わたしもここで購入しました。2SA1931/2SC4881は、型番が近いと言うだけの理由でテストした経験がありますが、がさついた音で良くなかったです。もしもまだお試しでなければ、2SA1930/2SC5171をお薦め致します。なお、2SB1274/2SD1913を試した経験はありません。
別府氏本人からコメントいただけるなんて光栄です。2SC5171の入手方法を教えていただきありがとうございます。出力段のTr選択には苦労しました。最初に「入手性/価格/オーディオ用途/Cobが少ない」という条件を元に候補を選び出し、「hfeのリニアリティと2A出力時のhfeが100以上/Ic-Vceのリニアリティ特性良好」といった点が気に入り選択しました。なお、このTrはヤマハのAVアンプに使用されていること、若松に大量に在庫(1500個)されていることもポイントです。オペアンプはMUSE02を使用しました。手持ちのオペアンプをすべて試しましたが、これが一番良いように感じます。微妙なニュアンスを再現し、雰囲気のよさと広がりを感じます。オリジナルとは少し違う点がありますが、私が作ったアンプの中で一番良い音が出ています。シンプルですばらしい回路を教えていただきありがとうございます。
見元さん、別府さん、皆さん、こんにちは。>Trを交換したら音が良くなりました。出力段のTRの選択も重要ですね。周波数特性は、どれくらい変わるでしょうか。最近、雑誌を見ていませんので、回路(オペアンプ+バッファー?)をお教えください。よろしくお願いいたします。
F特は測定していないのでわかりませんが、変わっていないと思います。Trのftが60MHz→100MHzになりましたが、第1ポールはオペアンプにありますので、バッファのTrを変えても、F特は変化していないはずです。回路はオペアンプ(muses02)+1段バッファ(エミッター抵抗なし)です。
見元さん、皆さん、こんにちは。オペアンプ(muses02)と言うことで新日本無線のデータを見てみました。~ 人の感性に響く音を追求 ~で、音響用のICですね。周波数特性は1MHz位まで伸びると思います。終段のトランジスタの電極間容量で音が変化すると言うことですが、このICは容量(コンデンサー)負荷の駆動力が小さいのでしょうか。現在の音が良い状態で、ICの負荷として小容量のコンデンサーを追加したら、音が悪くなりますでしょうか。
難しい質問ですね。実験はしていませんが、音に影響するのはTrのチップ面積かチップサイズからくるCec(エミッターコレクター間容量)ではないかと考えています。ですが本当のことはまるでわかりません。またIC最終段にはエミッターフォロアが入っているので、数10pF程度の負荷を追加しても影響はないと思います。
見元さん、皆さん、こんにちは。>ですが本当のことはまるでわかりません。>またIC最終段にはエミッターフォロアが入っているので、数10pF程度の負荷を追加しても影響はないと思います。 例えば、「100pFをIC出力に追加したが、周波数特性は変わらなかったが、音が悪くなった」と言うようなことが実験で得られれば良いなと思います。
見元様、村田様。こんにちは。Cobもそうですが、hFEカーブやその他の特性で音の良し悪しがわかれば楽なので、良かった音のトランジスタと、良くなかった音のトランジスタの特性図を並べて考えたこともあります。しかし、特性図で音は計れない、と言うか、私には傾向を見いだすことが出来ませんでした。ですので、Cobの大小が音を決める要因とも考えていません。私の経験では、パワートランジスタの良いものがドライバー段用の良いものを超えることはなく、ドライバー段用の良かったものが、小信号用のよかったものを超えることはありませんでした。ただしPcで考えると、同じチップが別のパッケージに入れられた品種を聞き比べたとき、大きなパッケージ(すなわちPcの大きい方)の音がよかったことから、Pcが小さい方が良い、とは言えないと考えています。少ない経験ですが、トランジスタのチップの大きさが制約条件になっているのではないかと考えています。Pcが大きくなると、そのグループの中でもっとも良かったトランジスタであっても、小さなグループの中の良いものより、霞がかかったような、寝ぼけたような音になると感じます。また、オペアンプも同様で、実験した限りですが、何らかの音の良し悪しを決めるパラメータがデータシートに示されているとは考えていません。また、負荷容量についてですが、容量そのものよりも、コンデンサの銘柄の方が音を変えると断言します。下記の拙著にそのあたりのことも記しました。是非、いろいろと試みて聞いてみてください。回路については拙著http://www.cqpub.co.jp/hanbai/books/41/41691.htmをご覧いただければ幸いです。
そうなんです。アンプは抵抗・コンデンサの銘柄によって音が変わります。そして今回は、Trによって音が違うことを確認し、影響が抵抗・コンデンサよりも大きいことがわかりました。しかしながら、音の良いTr・抵抗・コンデンサのどのパラメーターが音のよさに関係しているのかさっぱりわからないでいます。また、もう1つ音を良くする方法にシールドがあります。オペアンプの入力部分にノイズが飛び込むようで、ここをシールドすると、低音が出てきて分解能が上がります。音のバランスも変わってきます。また、入力抵抗を1KΩに下げるとシールドと同様の音の変化が現れます。確認のため、現在、シールドを強化し、実装を変更した別府式アンプ第2弾を製作中です。Trは2SB1274/2SD1913です。また報告します。
見元さん、皆さん、こんにちは。何回も、すみませんが。>ここをシールドすると、低音が出てきて分解能が上がります。>音のバランスも変わってきます。とのことですが、この後でシールドを取り除くと以前のように音が悪くなるのを確認されましたでしょうか。