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2SK79×LM3886

 

 

Power amplifier
by

Amplified triode

 

増幅した三極管によるパワーアンプというのがこの作品のコンセプトです。

2SK79という三極管特性の素子をLM3886というパワーアンプICで増幅して、それを一体のパワーアンプと見立てたものです。

2SK79はSITですが、シリコントライオードとも云える三極管特性の素子です。
ダイオードと云えば既にシリコンダイオードの代名詞となっているノリで 、トライオード(三極管)だってシリコントライオード(SIT)でいいっしょ。

限りなく無垢で純粋で明快な三極管がアンプという単純にして強烈なメッセージ、このアンプの存在を解釈するには芸術への理解とアートな感覚が必要不可欠。


回路図


アンプ基板
ユニバーサル基板を45°傾けるとLM3886のピンピッチと一致するため、このように無理なく基板に載せることができます。
電源基板

ケース内部は電源が7割を占める。ということはアンプ基板の占めるスペースがいかに小さいことかということだ。



適当な大きさの手持ちの放熱器(202mm×50mm×30mm)に合わせて、アルミ板でケースを作りました。





周波数特性 (0dB=1kHz/1W/8Ω)


出力対歪+ノイズ特性 (f=1kHz RL=8Ω)

歪の主成分は2次高調波で、それ以外の高調波成分は2次高調波の100分の1以下でした。
出力の増加と共に歪も綺麗に比例して増加しています。


周波数対歪+ノイズ特性 (Po=1W RL=8Ω )

周波数に対する歪の量に大きな違いはありませんでした。


1kHz1Wの出力波形と歪成分波形 (THD=0.139%)

ご覧の通り、上側に伸びた2次高調波歪波形です。

この波形を見ていると、音の立ち上がりと立下り部分で、その変化を加速するように歪成分が作用するイメージが浮かぶ。
そういうイメージを頭に描いて音を聴くと、スピーカーが元気になったような、アタックが強くスピード感のある音がします。


10kHz方形波応答

入力波形 垂直軸50mV/div

以下出力波形 垂直軸1V/div

無負荷

8Ω負荷

0.1μFのみ負荷

8Ωと0.1μF並列負荷

先ずこのアンプは反転増幅器なので、入力と出力の波形が逆位相になります。
電圧増幅度は20〜30倍で2SK79のμ特性に依存します。
因みにこのアンプはRchが23倍、Lchが30倍と、事前の選別をサボって無差別使用したためにゲイン差が出てしまいました。
肝心の方形波波形は、入力側に設けた3.3kΩと100pFのローパスフィルタのために出力波形の角が丸まってます。
容量負荷は、0.1μF程度ではまあ大丈夫ですが出力と直列に1μH位のコイルを入れておいた方が安心できるでしょう。

残留ノイズは0.13mV(Aフィルタ有り) 0.5mV(フィルタなし)と、スピーカの直近だと聴こえるレベルです。
また出力のDCドリフトが結構あります。
原因はカップリングコンデンサに使用した電解コンデンサの漏れ電流の影響だろうと思います。


ミューティング時の出力信号電圧波形

ミューティングの動作確認のために、DSOに波形を一旦メモリして、時間軸を拡大して観測した写真です。

電源投入し出力が発生してから約0.5秒で電源切断したまでを、出力の無い範囲も含めて記録したのが上側の波形です。
その下側は、上側の波形でバックが黒に反転している部分を拡大表示したものです。
出力は1kHz 20Vp-p 8Ω負荷です。

ミューティングが解除するところ

ミューティングが掛かるところ

このようにショック無く、スムースにフェードイン、フェードアウトしている様子を確認できました。

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