第220回 関東三土会(2020年03月21日)

総括


新型コロナウィルス対策の影響で人が少な目な秋葉原でした。三土会も参加者が少ない状態での開催になりました。しかしながら、新しい試みや、予想しない現象に対する討論が活発に行われていました。

出品作品

Arito's Audio Lab製OPT 6V6 3結pp AMP 高間 さん
Aritoさんが立ち上げたガレージメーカ製の出力トランスを使ったアンプです。このアンプの製作記事は、Aritoさんのサイトから閲覧できます。トランスの最大出力が7W程度なので、色々な球に応用できます。アンプケースは見栄えを良くし、製作を容易にするために、木枠にアルミ板を載せた構造にしています。
回路はなるべくバランス調整が少なく済むように工夫しており、真空管のバラツキを吸収できるようにしています。その結果、真空管の入れ替えが簡単にできるようになっています。
出力トランスの性能は素晴らしく、高域側に暴れがないばかりでなく低域も35Hzまで7Wの出力が得られており、20Hzでも3.5Wの出力です。
手間がかかっているアンプですが、手間を掛けることに意義を感じているとのことでした。
再生してみると、低域から高域までバランスが良くて癖が無く、聞き疲れのしない伸びのある音です。トランスによる効果が大きいのではないかと思われました。
出品者のコメント:
新OPTのモニター製作というお題を頂いたので、見栄え良い外観と製作例として真空管のバラツキなどにも対応できる回路を考えて作りました。

簡単な製作記事をAritoさんのHPにあげていただきましたが、下記から直接ダウンロードできますので、ご興味の有る方は是非御覧ください。

http://www.mediafire.com/file/2y7r7bzd35mg4qm/6V6TppAMP.pdf/file
30W×4パワーアンプ 小高 さん
LM1875を使った手軽に作れるアンプです。このICは、中国のAliexpressとかで入手可能なようですので、試してみると面白いと思います。
半導体アンプらしい、前に出てくる音です。部屋が広いせいでヒートシンクが熱くなっていましたが、まだ十分余裕がありそうです。
図面はD2CADを使って印刷しているそうです。こちらの方が綺麗に印刷できるということです。
出品者のコメント:
音質的には後一歩二歩のレベルでしたので、
余興として聞いて頂きました。

参考資料
http://www.hi-ho.ne.jp/odaka/quad/sando25.html

Nutubeパワーアンプ 2.5W+2.5W 斉藤 さん
ラジオ技術4月号に記事を掲載しているとのことです。超三結v4形式でトランスリニアバイアスを使い、電源電圧24Vで動作させています。
超三結v4形式は、上条さんがアイディアを発表していたものの実現していなかった回路を組み上げています。トランスリニアバイアスは、バイアス電流が0.4mAのB級動作でありながら、カットオフすることが無い回路だそうです。
部屋が広いので、大音量は苦しいですが、聞き疲れのしない音であるように感じられました。
出品者のコメント:

お寺大会でちょっと変な感じだったイコライザは本当に変なのか? 松川 さん
電源電圧を±15Vにしてみて再挑戦ですが、電源部分の箱が本体よりも大きくなっていました。音源はCDプレーヤを使い、その出力を逆RIAAに通してphono入力に入れ、再生していました。片側のチャンネルから直流電圧が出ている点はそのままですが、特に問題なく普通に再生できていました。
出品者のコメント:
お寺大会のイコライザの時は、まるでラインアンプのようにハイ上がりでしたが、持ち帰ると全くそのようなことも無く使用できました。そこで更に電源を±15Vにして聞いて頂きました。回路的には全く手を加えていませんのでどういうわけか右chのみ若干の直流がでているのも変わりありません。

メディアプレーヤ 大塚 さん
RaspberryPi+岩野さん作のDAC基板に、OSとしてOSMCを使っているそうです。タッチパネルはUSBに接続したら動いてしまったということで、特に問題なく使えています。これにより、ディスプレイから操作できるようになっています。
普段音楽を聞くために使っているとのことですが、スマホから操作する必要がないくらい近い場所に置いてあるので パネルで操作するほうが合理的だろうと考えてこのような形にしているとのことでした。
出品者のコメント:


次回お寺大会のテーマ「メディアプレーヤ大会」の作例として発表いたしました。
タッチパネルモニターは10.1in.あり、視認性・操作性ともに快適です。
常用できる機器に仕上がったと自負しています。


マイクと録音 関澤 さん
浜辺で波の音を録音したものを再生して頂きました。やはり生録の音は迫力がありました。
マイクは銀色を主体とした色に仕上げていて、存在感のあるデザインになっていました。
出品者のコメント:
 録音機材は、ノートパソコンとバスパワーで動作する、RME Babyfaceです。
 左chを陸側、右chを海側として、右から左に波が砕け散るように工夫しました。

RaspberryPi DAC 名刺入れに押し込み 蝦名 さん
RCAコネクタを付けることと、LEDが見えるような透明なケースを探していましたが、市販のケースで適当なものが見つからなかったとのことです。このため、名刺入れを加工していました。ポリカーボネート製らしく、工作しても割れなかったということでした。
出品者のコメント:
DAC基板には動作状態を示すLEDが載っていますので これが見えることと、アンプに接続するRCAコネクタを付けることができるケースを探していましたが、なかなかいいものがありませんでした。
100円ショップに行った時に 使えそうな名刺ケースがありましたので加工してみることにしました。このケースは意外と丈夫で、比較的容易に穴あけができました。
今まで裸で使っていたのとRCAコネクタも不安定な状態のままでしたが、これにより安心して使えるようになりました。
録音 3件 ピアノ/リコーダ・チェロ・チェンバロ/鐘 前田 さん
ピアノの生録は、ベートーベンの熱情を聞かせて頂きましたが、CDなどの音源とは違い リミッターが働いていないので迫力がありました。
鐘の音ですが、鐘から約50mも離れているのに 僅か50cm離れた位置で音の唸りが違っていました。会場では原因の推定に活発な議論が行われました。
チェンバロ、リコーダ、チェロの録音も素晴らしかったです。
出品者のコメント:
 バリバリのクラシックファンの抜作三太郎 こと 前田@厚木です。
 
 録音している本人は楽器の違いがあまりわからないのですが、ベーゼンドルファーの小型グランドピアノの音を聞いていただきました。
 バウンダリーマイクが楽器に近く、ピアノの底板と床との共鳴が聞こえる、などいろいろご指摘をいただきました。
 除夜の鐘の録音場所とうなりの関係はもう少し考えてみたいです。

 ウイルス蔓延でコンサートが中止/延期になり、録音の機会が減って残念です。

スナップショット


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