第113回 関東三土会(2010年4月17日)

総括


4月も中旬なのに山沿いでは雪が降る寒い1日でした。
本日は発表件数が比較的少なく、じっくりと音楽を流して聞くことができました。
いつに無く音楽をちゃんと聞いた気がするのは何故でしょうか。

司会:蝦名 ,写真:岩井 ,記録:前田

出品作品

吉田 さん
6080 OTLもどき 

 OTLの検討、ということで6080のOTLを作成、Cカップルとトランス結合がスイッチで切り替えられるようにしてあります。  トランス結合より、C結合の方が歪感があり、コロラトゥーラ(夜の女王のアリア)では、C結合は少し苦しいようでした。
出品者のコメント:
塩沢 さん
三極管特性のハイブリッドOTLアンプ

 真空管は消費電力が大きく時代にそぐわないので、エコを狙ってトランジスタと真空管のハイブリッドで三極管特性を実現しようとしたアンプ。  終段の出力素子がトランジスタなので、OTLというのも少し異な感じですが、シミュレーションで検討した回路を実現、力作です。   説明資料はこちらです。
出品者のコメント:
 回路シミュレーションソフト(SIMetrix - SPICE)を使うメリットは、回路構成を 検討する際に、自由に発想したアイデアを手軽に検証できることです。
 回路構成の良し悪しの基準は、アンプとしての性能の他に、回路の安定性について、 回路素子や、真空管やトランジスタの特性を故意にばらつかせた際のロバストネス です。
 今回、出品しましたハイブリッドアンプの回路構成の検討においても、回路性能の 他にロバストネスについて品質工学を使って評価して、基本的な回路構成を決定しました。
 以上のことをすべて実物で行うことは、非常に大変なことで、シミュレーションが PCで手軽に出来るようになって大変助かっております。
 今回、出品したアンプはシミュレーションの結果を手持ちにある部品で作って 見ましたが、次回には、デザインも含めてもう少し洗練されたものを出して見たいと 思います。
 このアンプに関する、ご質問等があれば、shiozawa@da2.so-net.ne.jp宛にメールを 頂ければ幸いです。
 (SPAM対策でメールアドレスの@を全角文字で表記しております)
関口 さん
SV-mini OTLアンプ+マッチングトランスMT-128

 キットのOTLアンプ。
 マッチングトランスの有無を比較しましたが、トランスを通すとこもったようになり、OTLのままの方がすっきりした感じでした。
出品者のコメント:
販売元さんの承諾をいただいたブロック図の公開をしています。 会の 球アンプの分科会に張ってあります。

http://www.tezukuri-amp.org/bunkakai/tube/bbs-tube/img-box/img20100419150754.png

このときは ゲインを25dBで試聴しましたが、マッチングトランスを通す場合は トランスなしのゲインを32dBにあげほうがいいように感じます。 あくまで、お好みですが
塩沢 さん
PW-A20 + EAS8HH

 ご自宅でリファレンスとして長年使われているスピーカーとのこと。 低音が少し控えめですが、落ち着いたバランスの良い音でした。
出品者のコメント:
 このスピーカーはアンプを製作するときの音質評価に、1975年から使用しております。
 ユニットは、エッジも劣化しておりませんし安定しております。
 今までに変更したのは、ネットワークのコンデンサを電解コンデンサから、フィルム コンデンサにしました。
 このスピーカーの音質は聞きなれておりますのでアンプの音質の比較に、大事に 使用しております。
鈴木 さん
多自由度型バスレフ3種類

鈴木さんが研究しているMCAPのバラエティで、3つの空気室の接続方法を変える事で変化を調べようという試み。 外から見えるポートも同じで外観から区別は付きません。
全くのブラインドで聞き比べましたが、微妙な差を聞き分けるのは(私には)難しかったです。
出品者のコメント:
運ぶのが大変だったので片チャンネルずつしか持ち込めませんでした。
1812年は、片チャンネルだけでは、小さいスピーカーがボソボソ鳴っている感じで差が分かりにくかったと思いましたが、 流石にベテランの皆様は差を聞き分けるのが得意で驚きました。2本使ってステレオ再生にしたときは、1本よりは随分まともに聞こえました。
持ち込んだものの詳細は下記にありますので、ご参照ください。
http://mcap.web.fc2.com/MCAP.html#example
大塚 さん
1インチスピーカー
 
 埋もれていた、2007年冬のお寺大会のお題、「1インチスピーカー」。
厚いボール紙でできたお酒の箱(に4個のスピーカを取り付け、3個は木目を垂直にして貼合せたバルサコーン。接続はシリパラとのこと。  鳴らしているうちに、1インチスピーカーとは思えない、ちゃんとした音が出て驚きました(失礼)。
出品者のコメント:
ちゃんとした音が出たのには製作者もびっくりです。
しかしまあ、それなりと言えばそれなりですけどね。
石田 さん
Arduino DACコントローラ

 USBインターフェイスのDSD1794AをArduinoでコントロールできるようにしたもの。
バラックなので運搬中に断線したのか、最初は音だしできなかったのはご愛嬌。
出品者のコメント:
 テスト用のバラックなので配線が途中で切れてしまって気がつきませんでした。まあ何とか音は出たので良かった。

 これでDACのレジスタ設定が自由に出来るようになったので、DAC製作の幅が広がりました。機能としては(チップに備わっていれば)

 デジタルボリューム   (0.5dB単位)
 入力フォーマット切替 (I2S,左詰、右詰16,24bitなど)
 ローパスフィルター切替 (シャープ、スローなど)

などが出来るようになりました。それ以外でも入力チャネル切替や動作モード設定などの細かい設定も条件に応じて使え、 状態表示のLCDも付けられるようになり便利になりました。

 次回はケーシングして、baffalo II DACも動かしてみたいと思います。
前田 さん
室内楽の録音

 自作のマイク(パナソニックのコンデンサマイク使用)とPCでの録音を紹介。今回は、二俣川のサンハートでの録音。  マイクがステージから遠く、残響の多い録音になっていました。
出品者のコメント:
 バリバリのクラシックファンの抜作三太郎こと前田@厚木です。
 TASCAM UB122Lというオーディオインターフェイスを入手したので、知人の演奏会へ言って録音してみました。88.2kHz, 24bitサンプリングです。
 ホールの一番後ろにマイクを立てたため、鮮明に録れませんでしたの古い録音も聞いていただきました。
 録音も、披露宴の写真撮影と同じで、場所取りが大切ですね。
 ホールは、客席が103席と少ない割りに天井が8mと高く、置いてあるピアノはスタインウエイのフルコンサートグランドとなかなかのホールでした。

スナップショット