第119回 関東三度会(2010年11月20日)

総括


そろそろ寒くなってきました。
そんな中、参加人数はちょっと少なめ。
でも、個性的な作品が並びました。

司会:蝦名・写真:堀尾・記録:大塚

出品作品

塩沢 さん
6C33C OTLAMP
OTL独特の新鮮な音をご自身のスピーカー(10cmバックロード)を持ち込んで上手く表現されていました。
回路方式にも一工夫あり、調整箇所を極力減らしているそうです。
締まった低音が特に印象的でした。
出品者のコメント:
 三極真空管OTLの音に魅せられて、6C33Cまで行き着いてしまいました。
 6C33Cの力強い低音再生は魅力があります。
 中高音もOTL特有のさわやかさを感じます。
 当日配布いたしました技術説明資料は、
http://qualitycrete.com/forum/cgi/lib500/6C33C_OTL_V02_Tech_Info_01.pdf
に登録しましたので、ご参照ください。こちらにも載せています。

 使用しましたFE103Eバックロードスピーカーについては、以前三土会で紹介させていただきました。
その説明資料は、http://qualitycrete.com/forum/cgi/lib500/BH_improve_FE103E.pdf をご参照ください。
 今回のアンプは、消費電力が450W(無信号時)と冬は暖房機兼用になりますが、夏は厳しくまたEchoの観点から、消費電力を減らす工夫をしたいと考えております。
 6C33Cは、見かけ上は一つの三極管ですが、内部接続では2つの三極管が並列になっております。
 従って、ヒーターも2系列ありますので、1系列のみを使用できるEchoモード動作が出来るようにしてみたいと考えております。

松川 さん
K135/J50 FETアンプ
先月のクリニックを経て見事完成。
FET入力のオペアンプを使った簡素な回路ながらしっかりと鳴っていました。
次作のための試作だそうですので、今後の作品に更なる期待が持てそうです。
出品者のコメント:
24Vのスイッチング電源を2台使って±24Vとして、終段のK135/J50に180mA流し駆動しています。ほんのりあったかで触れても感電しませ ん。会場ではゲインが低く残念でした。初段は、OPA2134というFET入力のオペアンプを使用しています。電源は24V→18Vにして供給していま す。(出力は約10W)
オペアンプに、バイポーラの5532を使いましたが、低音がだぶつきぎみで2114に変えてみまたが大きな変化はありません。また49720はやや明るくなった感じ。FET入力では412
もためしてみました。全体的にやや痩せた感じでした。2134は低音のだぶつきはないので澄んでいる感じですが、ちょっと痩せています。バイポーラはオーケストラ向きでFETはセッション向きかな。好きずきと思います。
今までにオペアンプとの相性がはっきり分かるようなアンプは初めてで、壊すのは勿体ない気もするのですが、来年には、もう少しパワーアップをはかりたいと思います。そのときにはまた皆様にご迷惑をかけると思いますが、よろしくお願いします。
最上 さん
21KQ6 OTLアンプ
しばらく姿を見ないなぁと思ったら関西に赴任しておられたそうです。
で、久々に関東に戻ったら「一家に一台OTL」の関西スピリットに、すっかり洗脳されていました。
恐るべし関西。
肝心の音質ですが、会のスピーカーで視聴しましたが、なかなかどうして素晴らしい音色を奏でていました。
ヴォーカルの響きが特に素晴らしいですね。
出品者のコメント:
確かに洗脳されたようです。不平衡型OTL・DCカットCap付きです。
マッチングトランス無しで、難しい会のスピーカーを少し鳴らせたように思います。
まだしばらく関西にいるつもりです。(会社次第ですが)
見元 さん
TDA2030Aアンプ+Peerless 830987フルレンジ
氏のライフワーク(なのかな?)であるICアンプ+5cmフルレンジの登場です。
スピーカーとのマッチングも良く、この音質ならば十分実用に耐えるICアンプでしょう。
ICアンプの性能をここまで研究して活用してあげれば、このICの設計者もさぞや喜ぶことでしょう。
出品者のコメント:
アンプは、細かい音、微妙な表現、を良く出していたと思います。一方、解像度を上げたため、他の悪い部分(高域の発振にも似たピーク)が音として出ている と会員の皆さんから指摘されました。その後の検討で、原因はSW電源のノイズだとわかりました。次回までに対策を行います。
安江 さん
TDA1552Q ICアンプ
得意の空き缶アンプで、今回はドトールです。
相変わらずの工作の丁寧さには脱帽です。
肝心の音質もなかなかのもので、お手軽に使える佳良なアンプでした。
出品者のコメント:
 前作のUV211シングルの 1/100の予算で作れるアンプ。
音質は1/100にならないからオーディオはおもしろい。


水越 さん
2SB883/2SD1193アンプ
OPアンプを使用し、簡素な回路ながら至極まっとうな音が出ていました。
電源にやや欠点があるそうですが、まったく気になりません。
オーディオっていいですね。
出品者のコメント:
モータードライブ用のダーリントンTrのコンプリをOpアンプでドライブ、10Wの出力です。小型化にするため?DCの供給は外付けとし、自作のスイッチ ング電源(写真後方)で±18v2Aに変換しています。が・・マイナス側制御がいまいちで、50HZ以下大出力で不安定になります。電源トランス使用のほ うが、素直な感じでした。

石田 さん
MUSES電子VRプリアンプ+hifi DIY DAC(PCM1793)
私には何だかわからない事を色々やって音を出しているようです。
アンプは100パラ無帰還半導体、スピーカーは会のものをそれぞれ使用。
破綻なく聞こえる音でした。
出品者のコメント:
 今回は色々あるのでまとめて鳴らしました。DACは支那製のhifidiy.netのMini1973DACでこれは完成品ですが、キット($35!)もあります。BBのチップでそこそこの音はしますのでお買い得かと。
 同軸と光の両方の入力があるので本来は会のCDPにも直結できるのですが、光入力を新設したSRCがあるので、その出力を同軸経由でつなぎアナログ変換しました。

 プリはJRCのMUSESシリーズの電子ボリュームチップが入手できたので、それを動かしています。コントロールはいつものArduinoを使って、操 作VRの電圧をA/Dしてデジタルデータで電子ボリュームゲインをコントロールします。出力OPampにはもちろんMUSESの02を使用しました。聞き 易いソフトな音色ですね。
蝦名 さん
Stereo誌おまけSPバックロード
以前発表のものですが、その後塗装の仕上げなどをやり直しての再出品です。
6.5cmのユニットとは思えない低音の量感がありました。
ツイーターも付加してあり、さすがの音作りです。、
出品者のコメント:
空気室に吸音材を追加して低音を抑え、ホーン開口部にも吸音材を追加して残響感を減らしたのですが、まだ残響感が残っていました。吸音材を追加すれば残響 感を減らすことができそうですが、低音も減ってバランスがとれなくなるので、このあたりが妥協点でしょうか。ツィータは4dBほど減衰させてバランスを とったのですが、古い製品なのと しばらく使っていなかったせいか、鳴らしているうちにレベルが上がってくるようです。会場ではツィータが出しゃばってい ました。あと2dBほどレベルを下げないとだめなようです。
しかしバックロードホーンの効果なのか、大音量でも音が崩れにくいようです。小口径のユニットと量感のある低音とのアンバランスも面白いので、お出かけ用に使えそうです。
藤本 さん
PCの中にR=2R 24bit のDACを仕込んだ仕様で、本日出品の各機材を使用してデモを行いました。
DACの電源は電池駆動で、使用部品も高精度の巻線抵抗を使用しているそうです。
ノイズを心配されていましたが、特に気にはなりませんでした。
本人は納得いかない様子でしたが、アニソンもポップスもいい感じで鳴っていましたよ。
今後の発展に期待できる作品でした。
出品者のコメント:
intelのATOM搭載マザー(12V駆動)とLYNXのL22サウンドカードでSPDI/F出力しDIR9001-DAIで受け、4パラR-2Rから出力

DAIとDACは電池駆動しています、抵抗は0,01%誤差品の銅巻線を使用、SSDを使いWindowsXPをnliteで最小限まで削ぎ落とし、foober2000をASIOの最小レイテンシ設定でWAVEのみ再生しています

思いつく限りの努力はしているつもりですが、まだまだ終わりは見えません、なんちゃって自作派なので測定とか出来無いのは何とかしたいです・・・
今回出品させて頂き新たな課題が出来ました、一人でやってると思い込みや気が付かないことが有るのがよく分かりとても有意義でした、それと機材をお貸し頂きました皆様にお礼を申し上げます、どうもありがとうございました

めげずにまた行きたいと思います、その時はよろしくお願いします。

スナップショット