第132回 関東三土会(2012年02月18日)

総括


寒波と雪に見舞われた土曜日になりましたが、新しい試みの発表に会場は熱く盛り上がりました。

出品作品

見元 さん
OPAMP+Tr ハイブリット的な構成回 新しい試みの回路AMP.
小信号時はOPAMPのみ働き 出力が大きくなると OPAMP+Tr の動作になる様です.
4kHz辺りから歪が出るそうですが,目立った歪では無かったです.
出品者のコメント:
オペアンプ+カットオフ出力段の音はいかがだったでしょう。事前の「歪んでいる」との告知からひどい音を連想された方は、歪みの少ない以外にまともな音にあれっと感じられたのではないでしょうか。ただ、楽器の音色が違うという意見がありました。私もそう思います。

今回は、前例のほとんどない回路ということもあり、手持ち部品だけで作りました。このため、使用部品はベストなものではありません。次回はCobが小さくhfeの大きなトランジスタ投入や各部の最適化を図り、カットオフ出力段を完成させたいと思います。ご期待ください。
石田 さん
見元さんと同様の構成 OPAMP+Tr の聞き比べとなりました.
一部分回路が違うので歪は出ていないとの事,
こちらの方が "元気さ" が感じられたかな.
出品者のコメント:
 元の基本形がシンプルで優れた回路なので、通常のようにバイアスを流して歪を取って見ました。
 バイアスを流す場合には温度補償が重要ですが、エミッタ抵抗を大きめにすることで特に問題はなさそうです。
 音的にはなかなかすなおで素性が良さそうです。無バイアスの本家の華やかさ(歪?)は無いものの部品点数も少なく作りやすい回路です。

 今回は電源が試作のため流用品だったので次回はもう少しちゃんと作ってみようかと思っています。(なお本体は写真3枚目中央上の基板です)
粕谷 さん
「ぺるけ」さんの回路と同等(一部分変更)の71Aシングルアンプです.
小出力の割りには文句無い音量が出ていました.(部屋の影響でしょうか)
シャーシ塗装 と トランスカバー に質問が集中しました.
下地処理し プラサクを2回塗り アクリルスプレーし えーと・・・・・・
冬場はスプレー缶の温度を暖めると 液垂れが起き難く塗装粒子も・・・
塗装のノウハウを教えて頂きました,大変丁寧な作りでした.
出品者のコメント:
小出力ではライブな洋室で音出しすると良いようです。
71Aの音質を確認して頂けましたでしょうか?
詳細は↓こちらをご覧ください。
http://65124258.at.webry.info/201201/article_3.html

アルミシャーシの塗装ですが、まず400番くらいのペーパーで水研ぎします。
この時点で罫書き線が消えます。
追加→台所洗剤で油分を取り除きます。
水はガスレンジであぶって飛ばしちゃいます。
その後、プラサフで2回塗装します。
次は本塗装ですが、私はアサヒペンのアクリルスプレーを使っています。
追加→手の平を広げて親指と小指くらい離し、スプレーしますが塗装面から
外れたところから始め、折り返しは同じく塗装面から外れたところにします。
冬は気温が低くて塗装が乾きにくいので、石英管ヒーターを使って簡易焼付け
すると良いようです。
塗装面についた糸くずのようなものは、2000番くらいのペーパーで落とします。
塗装は都合4回くらいで完了です。1度に厚く塗ると液ダレして失敗します。

スプレー缶はバケツにお湯を張り、中に浸けておいて塗装時に取り出します。
冷たいままですと塗装時に粒子が粗くなってしまいます。

鈴木 さん
真空管バッファー + LA4902 デジタルアンプを聴かせて頂きました.
TV用のICだそうです,小音量時は消費電流を減らす機能が有るそうで.
音源は 昔カセットテープに録音されていた物をPCへ取込んだ PCオーディオです.
  EP/LP カセットが全盛時代に
  カセットに貯めていた物をPCへ取込んだとのこと.
SP盤(電蓄)ソース → カセット → PC 再生 も行いました.
この情熱は見習わないと ですね.
出品者のコメント:
 お寺大会に引き続き、真空管バッファー+ICのアンプ第2弾です。今回はゲインが必要だったので、12AU7をカソードフォロアではなくプレート電圧12Vのプレートフォロアで使用しました。ICは以前秋月電子で購入し熟成していたサンヨーのLA4902、ありあわせの手持ち部品で組み立てたためか左右の音量に差が出てしまいました。音質はお寺大会の時の12AU7カソードフォロア+東芝TA7252APのアンプの方が私は好きです。
 今回、USB-DACは前回報告したPCM2704を外部電源バージョンで使用しました。(7.5VのトランスタイプのDCアダプター+アナログとデジタル別々の三端子レギュレーター)
 音源のデジタル化に際してはデスクトップの自作PCを使用したのですが、これからは専用のADコンバーター+ノートパソコンでレコードから直接デジタル化したいと考えています。安価で評判のよいコンバータをご教示ください。
大橋 さん
都市伝説の検証 CDR 蒸着材質の差に因る聴き比べをしました.
青,金,黒 のCDR(同じ録音)を比較,好評だったのは 青でした.
でもこれは市場から無くなりつつあるとの事でした.残念!
出品者のコメント:
このソース音源は試した中で音の差が一番表現できたものでした。当日はポータブルCDプレーヤも持参しましたので黒いアモルファスも比較できればと思いましたが、3.5ΦプラグとRCAのケーブルを忘れ、プレーヤがアンプにつながらず黒が再生できなかったのは残念。お付き合い頂き有難うございました。
堀尾 さん
USB-DAC PCM2704 電源構成の違いを聴き比べました.
1:バスパワー(USBより電源供給).
2:バスパワーのDigtal・Analig 各レギュレータを分離.
3:Digtal・Analig 各々にACアダプターで電源供給.
4:Digtal・Analig 各々にトランス電源で電源供給.
どれが好かったと思いますか 私は4番が萌えました,
理由を知りたい方は次回参加ください.
出品者のコメント:
VICSキットを見たときから、ずっとやりたかったネタをようやく実現しました。
USB なんて、デジタルバリバリの装置を、トランス駆動するあたりが萌えポイントです
小指のつめほどしかなチップ一個駆動するのに、何倍の体積つかう気だ?っいうのが
萌えますよね?
上野 さん
デジタルアンプの構想から思索と試作の裏話を拝聴しました.
なので作品は検証基板です.
メーカーのヒントにされる事を懸念し詳細は省略させて頂きます.
  私には "お宝情報"でした.
出品者のコメント:
失敗作で音が出ないまま放置していたものですが、他の方の参考になったかな?

アイデア自体は大したこと無いありふれたものです。実装は面倒でしたけど。
石田 さん
フィールドPSを楽しませてもらいました.
ザクセンウェルケ(ドイツ) 1940年頃のオーロラシリーズの "ラヂオ" に使われていたそうです.
三上さんから借用(略奪,押付られた? 真相は・・・)した20cm励磁方スピーカーを
簡易定電流励磁電源で動作しています.

特性を見ると中域にデップが有り高域は4~5kHz辺り との事ですが,
そのまま と 補正したものと 比較もしました.
 時代物ですが どちらも現代でも通用する鳴りっぷりでした.
出品者のコメント:
 私も初の励磁型スピーカの体験でとても面白かったです。電源は高電圧250Vに抵抗を入れて90Vまで落した簡易定電流電源で、ドライブは今回出品のOpamp利用のパワーアンプをバランス使いでドライブしました。中域ディップのためDAC前でデジタルイコライザで若干補正しています。

 ボーカル物を中心に聞きましたが、朗々と鳴る感じで広い試聴室でも一発で充分サービスできるくらい、ナローレンジながらバランス良く鳴っていました。このくらいパワーを入れればイコライザ無しでも多少ソフトになるくらいで結構聞けます。大分昔のものなので当初の特性がどうだったかは不明ですが、やはりそれなりの良さが有ります。

 次回は励磁電源をもう少し改善し、その違いによる再生への影響を探ってみたいと思います。

スナップショット