第133回関東三土会(2012年3月24日)

総括


関東の集まりで活躍なさった関口さんがお亡くなりになりました。
故人の冥福をお祈りしたいと思います。

すこしづつ暖かくなってきたせいか、出品数が多く、やや巻きぎみになりました。

写真:石田、報告:堀尾

出品作品

米谷 さん
フルデジタルヘッドホンアンプ

DSD入力、デジタルアンプ
74論理回路のみで PWM 駆動したアンプ
これだけの論理回路で音になるのか?と驚きの音
ヘッドホン用なので、出力は小さい分、パワーアンプで強化してのデモです。
出品者のコメント:
初めて参加させて頂きました。発表の場を頂き、ありがとうございました。
DSD入力のヘッドフォンアンプならばフルデジタルで実現できそうで、DSD信号自体の音はどんなものか知りたくて作成しました。結果、予想を超えた音であることが判りました。
デモではアナログのパワーアンプを通しての音を聴いて頂いたのですが、ヘッドフォンであればアナログアンプを通さないDSD信号の音を聴くことができます。簡単な回路ですので(その割には苦労してますが)、いろいろ改良して頂けたらと思います。いろいろ修正したこともあり、最終段の電源のパスコン容量がDC/DCの仕様に対してオーバーしているなど、完成形にはなっておりません。
スピーカ試聴では判りにくいのですが、実はS/Nが少し不足していて、ソースによっては「ピロピロ、シューシュー」といったノイズが気になります。L/Rもしくは前後のパルスの干渉が原因と考えられるので、またじっくりと対策を考えたいと思います。

石田 さん
OPアンプ B級アンプ

見元式 OP アンプ駆動アンプを電源強化したもの
トロイダルトランスを2個内蔵、トランジスターにヒートシンクを積むなど、
石田流本気製作の賜物
バランス式なので、4 ユニット入ってます
低音がいい感じ
出品者のコメント:
 OpampはMUSESのFET入力8920を非反転で使用。ゲインは20dBで、出力は30Wほど。バイアス電流は10mA程度でいわゆるB級動作をしていますが、30kHzまでは歪は見られません。ケースは315円のDVDBOXを流用。

 流石に225VAトロイダルトランスx2に47000μFx4に3Aレギュレータという電源部に余裕が有りゆったりとした音が出て全体域に素直な音がしています。見元式は簡単な回路で部品点数も少ないのでパーツに凝っても面白いアンプができますね。
 バランスアンプということもあってパワフルで滑らかな音が出ました。
大橋 さん
ダイアモンドバッファアンプ

工事現場に現れそうなケースに入った、
ダイアモンドバッファアンプ
粘りのある音ということで、演歌でデモです
回路そのものは、現役時代に作ったヘッドホンアンプを、
スピーカー用にパラメータ調整したものだそうです。
非常にしっとりとした音です。
出品者のコメント:
ケースに関心を持っていただき有難うございました。ちょっと大きいのでこの分野はトランスポータブルアンプのカテゴリーですね。好評でしたのでもう少し小さめのケースも何かに使ってそのうち披露します。音は思っていた方向が確認できたのでほっとしました。ご指摘の改良もいずれ実行します、有難うございました。なおケースはこちらですが使う人はいないでしょうねえ。
http://k-ing.ne.jp/07stc.html#size
安江 さん
EL34 超3PP パワーアンプ

初めてアンプを作ったころの作品が再登場
約7年前の作品だそうです。
シャーシ加工のきれいさは、現代の安江流に通じるものがある。
ただし、当時はシャーシ加工を店に依頼したらしく、高価な加工料を取られたらしい
知人にアンプを貸したところ、不良球を刺されてしまい、
プリント基盤が焼け焦げたとか。
今日は半導体アンプが多いので、いかにも真空管アンプという音が目立ちました。
出品者のコメント:
 半導体アンプの中に唯一の真空管アンプ、真空管アンプの音も捨て難い!
このアンプがきっかけで“手作りアンプの会”へ入会させていただいた記念すべきアンプ。
赤くなったり天板に穴が開いたアンプが登場するのは、まだ先の話し。
見元 さん
OPアンプドライブ

先月の OP アンプを使ったアンプを、
論理的に練り直したものだそうです。
パラメータを調整することで、出力段にカットオフが発生するように調整し、
完全な B 級動作をすることを意図した回路定数が
設定してあります。
出品者のコメント:
カットオフ出力段で、好みの、柔らかくてやさしい音が出せました。次回はこのカットオフ出力段アンプを完成させたいと思っています。
石田 さん
GR-3777励磁スピーカー

先月は抵抗を使った簡易回路だったが、これを
半導体による定電流回路で作り直したもの。
65mA を流すのが普通だが、これを可変にすることで
音質調整を可能にした。
抵抗による定電流では、負荷により用意に電流が変化するので、定電流をつかうと
ずいぶんと音が変わる。
時代を感じさせる、昔のアメリカを思い浮べるような音がしました。
出品者のコメント:
 今回は本格的な定電流回路を組み込み、先月の簡易型と比較してみました。やはり定電流回路の方が切れが良く好みかもしれませんが、定電流回路の方が音離れが良く好きです。
 励磁スピーカも色々といじる点が多くて面白いものですが、最近のスピーカにはあまりないのでどうしてもレトロになってしまいます。まあ、それはそれで当時のソースを聞くには最適かもしれません。
見元 さん
CHR-70

今回は木材を使わずに、プラスチックダンボール、紙、
ポリプロピレンを複合材料を構成素材として使用。
木材固有の音を消すことを意図して設計したスピーカー
出品者のコメント:
MDFの音に納得いかなくて、OEMリング(ガスケット)やバッフル板の材質を検討していました。そして、バッフル板の振動を無くすことは無理なので、振動の質(減衰特性)を上げる方向で実験してみました。材質はポリプロピレンと紙とプラダンを重ねた複合材料です。ですが、これは作るのが非常に面倒なので、次回はまた別の材料で試作する予定です。
竹内 さん
バンブーFL

ニトリスト総帥による竹飾りスピーカ
スピーカーユニットの買い置きがあったので、
以前に作った筐体のユニットを交換してみました。
普段は 2Way だが、今回はフルレンジ一発に挑戦
会を重ねるごとに、音が安定してきたように思いました。
出品者のコメント:
まだ作り立てほやほやの未調整(音だし10h程度)で聴いて頂ました。
エージングも足りず、少しきつめの音で失礼いたしました。
この箱?は未発表も含めて6作目ですが、利点と欠点が見えてきました。
容積が4.2L程度なので、口径で8~10cm程度が適しているようです。
小口径のフルレンジには良いのですが、箱鳴りや定在波で少し音色が変化するようで、対策が必要なようです。まだまだ修業が足りません。
低域方向も不足していますので、今後どうするか悩みは尽きません。
関澤 さん
陶器スピーカー

陶器をオーダーメイドした逸品
環境に溶け込むデザインを意識したうえで、
ドローンコーンを用いた低音の効いた音を実現しています。
陶器の響きを上手に利用したいい響きをもっていました。
出品者のコメント:
 初めてのスピーカー作成で、皆様に助けていただき、紆余曲折の末に何とか、
音出しが出来ました。ありがとうございました。

 スピーカーの配置、大きさ等、問題点と改善点が解りましたので、
次のスピーカー作成に生かして行きたいと思います。

 最後まで、お付き合い(聞いて)いただき有難うございました。
堀尾 さん
PCM2704 USB-DAC

先月につづき、PCM2704の電源比較を、今度は S/PIDF 出力に
対しておこなってみました。
USB バスパワー、USB 電源をレギュレータに通したもの、外部電源を使用したもの。
アナログほどではないですが、差があるようです。
さらに、先月のアナログ版は電源強化とオペアンプを搭載した
最終形態に至りました。
出品者のコメント:
デジタルの比較、私自身は違いがあまりわからなかったのですが、
参加者の皆さんから「違う」とコメントがもらえたのが収穫でした。

アナログの方は、前月に続き電源をより強化してみました。
表面実装のチップ一個、オペアンプ一個にトランスを5個搭載するという、
もうなにがなんだか?というシステムとなって、完成を迎えました

大塚 さん
PCM2704 USB-DAC

秋月で販売している、PCM2704 USB-DAC を組み立てたもの。
同キットを評価する目的で、一切手を加えず、
そのまま組み立てました。
設計時に意外と配慮が行き届いてるらしく、USB バスパワーと思えば
よい音がしてました。
出品者のコメント:
前出堀尾氏の作品との比較用として組み立てました。

その後、堀尾氏のDACとの比較試聴をもう一度行いましたが、氏のDACと比べて音の奥行き感がやや薄い印象でした。

それでも1700円でこの音質ならば十分合格点ではないでしょうか。
最近の秋月、なんか頑張ってますよね。

スナップショット