第151回 関東三土会(2013年11月23日)

総括


小春日和の暖かな陽気に誘われたのか、多数の参加者で部屋がいっぱいになりました。
また、今回も鈴木さんからお菓子の差し入れがありました。ありがとうございます。

出品作品

浅川 さん
ニアフィールド向けシステム
5cmフルレンジ dayton ND-65-8 + ツィータ Vifa + 電子ボリューム付きIC LM3886TFアンプ
小さいユニットで低音まで出せないかという試みだそうです。広い部屋なので大音量では苦しい場面もありましたが、低音から高音までバランスよく、伸びのある音で鳴っていました。また、スピーカーが小さいために、音像が明瞭になるという効果がありました。
出品者のコメント:
ご評価戴いたことを感謝します。ニアフィールド用と会場とでは土俵が違うと実感しています。無謀な挑戦だったような気がしました。次回参加するのであれば口径8cm以上のユニットでエントリーしたいと思います。電子ボリュームとアンプはKITに少し手を加えた程度なので出品するにはおこがましかったのですが気に入った音なので第三者の声も聞きたかったということがありました。
松川 さん
8417シングル(トネパーツ特注OPT使用)
5kΩ-8Ω、15Wくらいで電圧300Vという仕様で製作をお願いしましたが、ギャップの調整に苦労したとの話があったそうです。前に使っていたトランスに比べて、おとなしく素直な音になり、またある程度音量を上げてもクリップしなくなったとのことで、交換した効果がありました。会場で鳴らしたときも、伸びのある音であることを確認できました。
あと、学園祭の演奏をボイスレコーダーで録音したものを聞かせて頂きました。意外とまともな音で録音できていて、用途によっては十分使えそうでした。
出品者のコメント:
春日の54B-57から変更しました。以前見られたフルボリューム時の歪はあまり感じられませんでした。全体的に落ち着いた聴きやすい音になったような気がします。ちょっとトランス同士が近かったり、トランスと真空管が近くなっちゃったりで心配です。ちなみに5極管結合で、8417を使用していますが、5kΩですので、ユニバーサルに使ってみようと思っています。6V6、7027A、6GB8 や、6GB3A、6GB6の水平偏向出力管とかにも変えて遊んでみようと思います。ちょっとB電圧が高めですが、それでも試聴の間ぐらいは耐えられるでしょう。静かに逝ってしまう石と違うところがいいです。
安江 さん
6DJ8差動ラインアンプ
プレート電圧10V下げ、電流を一本当たり4mAから5mAに増やしたとのことです。
ボーカルが自然で音の伸びがあり、余韻も綺麗です。音像しっかりしていて、分解能が高く安心して聞いていられる音でした。
出品者のコメント:
 5年ほど前に製作したラインアンプを見直してみました。
今でも“現役”良い音しています。
球を差し替えて、それぞれの個性を聴くのも半導体アンプでは味わう事の出来ない楽しみです。
見元 さん
TDA7377アンプ
電源のコンデンサの一部にセラミックコンデンサを使用したとのことでしたが、ハイ上がりな音で高音が綺麗なものの、さ行が少し荒れる感じがありました。会場が広いせいで音量が大きくなったため、欠点が目立ってしまったようです。今後の改良点でしょうか。
出品者のコメント:
アンプの評判が悪かったので、なぜこうなったか考察してみます。
三土会後、家で複数台のアンプと音を比較してみました。音は悪くない、むしろ良いと思いました。家の環境は、繊細な音のする10cmフルレンジを小音量で使用。VRは9時。
一方の三土会は、迫力やダイナミックレンジに優れる16cm2ウエイ。VRは5時(Max)。

結論:三土会でフルVRにしたためアンプの高域の粗さや他の悪い部分が目立った。アンプを出品するためには、三土会のようなスピーカーを使い、フルボリウムテストを実施しないといけないと考える。
石田 さん
超狭体積密閉スピーカ+電流駆動アンプ
200Hzより上をこのスピーカで鳴らしました。電流アンプで駆動し、DCX2496で特性の暴れを補正しています。200Hzより下は手作りアンプの会のスピーカーです。
電圧アンプと電流アンプでは聞こえ方がかなり違うのですが、電流アンプだとそれなりに音になっているので出品してみたとのことです。背面の体積が極端に小さいせいか、共振による音の変調が感じられました。このあたりは、今後の検討課題のようです。
出品者のコメント:
 某会での電流アンプの音を久しぶりで聞いて良かったので、急遽実験してみました。どうも目標の抵抗制御にはなっていない様で、中域に変な歪があったりまだまだです。

 この辺面白そうな課題なのでまた後日継続してトライしてみたいと思います。
木村 さん
可動磁石スピーカ
ヨークを使わないで振動系の軽量化を図ったとのこと。前作に比べて高音がかなり伸びて、すっきりした音になっていました。能率も通常の磁気回路のスピーカー並に上がってきていました。
現在は主な検討項目を軽量化に定め、検討を進めているとのことでした。


塩沢 さん
FW108N使用ZWBRスピーカ
ミューズの方舟 自作スピーカーコンテストの発表会場を意識し、大きな音量で鳴らしました。アンプは会の標準の無帰還アンプです。ZWBRらしい低音でした。また、低音から高音までのバランスが良好です。いやな音がしなくて、分解能が高く、聴きやすい音でした。会場からは定位が非常に良いとの意見も出ていました。ミューズの方舟 自作スピーカーコンテストではNFBアンプで鳴らすことになり、無帰還アンプよりも少し音が煩くなるはずなので、うまくバランスを採っていると感心しました。
出品者のコメント:
 オーディオサークル『ミューズの方舟』主催自作スピーカーコンテスト2013のお知らせは次のURLをご参照ください。
 http://d.hatena.ne.jp/musenohakobune/
 使用される会場は168名収容のレクレーションホール(多目的ホール)です。
 使用するメインアンプはアキュフェーズのP-6100×2のBTL接続です。
 例年いろいろな独特の工夫を凝らしたスピーカーが出品されます。今年は、9作品がエントリーされていると聞いております。ご都合がつきましたら是非会場にお越しください。
 先日の三土会では、大きな会場を意識して大きな音で聞いていただきました。大体の感触はつかむことが出来たと思います。

スナップショット