第154回 関東三土会(2014年2月15日)

総括


記録的大雪にもかかわらず、10名もの勇者(閑人?)が集まりました。
極寒の中、情熱的な三土会の始まりです。

司会:関澤
レポート:蝦名
写真:大塚

出品作品

TDA7377アンプ+電源 見元 さん
電源を変えたことによる音の変化を実験してみました。
半波倍電圧電源: 音が少し詰まる感じがある。
スイッチング電源: 半波倍電圧に較べると音場は広がる感じだが、少し荒くなる感じ。
スイッチング電源+電気二重層コンデンサ: スイッチング電源だけに較べると音が滑らかになるようです。
また、見元さんの電源に対する考え方を説明して頂きました。
出品者のコメント:
今回は、電源の違いによる音の変化を実験させていただきました。個人的には電気2重層コンの音が好きですが、「高域は荒くなるが半波倍電圧整流のほうが良い」という意見もありました。いろいろな意見を聞けるのが三土会の良いところだと思いました。
初期型無帰還アンプ(改) 高橋@仙台 さん
蝦名@茨城が、高橋@仙台さんから譲り受けたアンプを少し改造したものです。
2段増巾の2段目のゲインを8倍から15倍に変更したのと、DCサーボからの音声信号の帰還を抑えるようにしてみました。
改造前に較べるとコントラストが強くなり、サ行の声が若干荒れる感じがありました。
100パラアンプと比較すると、雨の音がそれらしく聞こえるのは初期型アンプ(改)ですが、人の声は100パラアンプの方が有利という感じでした。ジャズなどの再生に向いているようです。
出品者のコメント:
私(蝦名@茨城)が初期に使用していた2段増幅の無帰還アンプは、大人しい音になる傾向がありました。一つの原因はDCサーボ回路を通して、高音側の音声信号が入ってきて少量ではあるがNFBの影響があることと思われます。もう一つは、初段のゲインが1~1.5倍、2段目のゲインが8倍程度ど低く、押さえ込まれる感じの音になりやすいことです。
そこでこのアンプは、DCサーボ回路に大容量のバイポーラケミコンを入れ音声信号を減衰させてみました。また、2段目のゲインを15倍に変更しました。
この改造により、少し音が元気になったというか、荒れる感じが出てきたと思います。市販のスピーカーを鳴らすには、この方が向いているかもしれません。このアンプを使う予定の人に、このあたりを比較してもらおうかなと考えています。
D級 TA2020アンプ 浅川 さん
共立のWP-2020AMP-DXGを少し改造したアンプとのこと。電源は、12Vではなく本人が好みの15Vにしていました。
音が前に出てくる感じがいいです。浅川さんの音の好みか、インスツルメンタル系の音が得意な感じでした。
同じICを使った市販のミニアンプよりも、音の伸びがある感じで、素性の良さと改造の効果の現れでしょうか。
出品者のコメント:
スピーカーの持参は諦めたために厚かましくも手作りと言うには疑問といってもいいようなものを出品してしまいました。これも音としてどう評価されるのかが一番気になったというのがありました。
ギャラリーの諸兄の方が私の素朴な疑問(鉄足と銅足)にお答えいただけたことを感謝します。
拙作は岩野さんの作品には遠く及ばないことは一聴しても判りますが改善の余地は少し残っています。
PCM1793DAC 大塚 さん
共立WP-9193DACのOPアンプを交換して、音の変化を実験してみました。
・OPA2134PA(FET入力): 少しハイ上がりだが、バランスが良くて、無難な音
・NJM5532DD(バイポーラ): OPA2134PAに比べると大人しくなるが、音の広がり、空気感はこちらの方が良好
・MUSES8820(バイポーラ): 少しハイ上がり。分解能が落ちた感じ
・MUSES8920(FET入力): 空気感と分解能が両立できている感じ。OPA2134Aに近いが少し荒れた感じ
出品者のコメント:


先に改造したデジタルアウト化ベリンガー用に仮組みしたものです。製品の詳しい仕様は共立エレショップのHPを参照してください。
現状、仮組みということでとりあえず電源はACアダプタです。
ということで、音質はそれなりかと思いますが、それでも無改造でもなかなか素性のよい音が出ました。

この製品はアナログ出力バッファーのOPAMPがソケットで実装されているので、ここらへんを軽くいじってみようという事でOPAMPの交換実験を行いました。
作品の仕様上、同じDACが3個並んでいますので、OPAMPを3種類交換しておいて、素早くつなぎかえる事によって音の違いを皆さんで確認するという方法で実験を行いました。
今回は、標準品(OPA2134AP)のほかに上記レポートにある3種類のOPAMPを聴き比べましたが、意外と音が変わる事が確認できました。
それぞれの素性をよく吟味すれば、各音域ごとにOPAMPを変えて好みにチューニングすることが出来るほどの違いだったと思います。
8ピン2回路入りのOPAMPは種類が豊富ですので、別のものも用意できればもう1回ぐらいやってみてもいいかもしれませんね。
今回は出品数が少なかったので、じっくりと実験が出来ました。
ありがとうございました。
CS4525x4 I2Sアンプ 岩野 さん
I2S信号を受けて、フルデジタルでスピーカーを駆動しようという試みです。ステレオ4chで使用できますが、今回はそのうちの1chで音出ししています。将来は、DCX2496からSPDIFに変換せずに直接I2S信号をもらって、音が出るようになるとのことでした。
基板は自分で作ったとのことです。すごい!!
くっきりした感じの音で低音の音感も十分でした。雑音がまだ多いせいか、音楽に付随して若干エコーがかかったように感じますが鮮度のよい音でした。また、若干分解能が落ちる感じはありますが、改善を加えることで音質が向上していくと思います。
出品者のコメント:
今回は、開発途中のソフト作成&デバック用の基板での音だしで、聞いていただきました。

最終システム構成は、コントロール部、DCX2496(改)、パワーアンプ左右で2台です。

DCX2496からI2S信号をHDMIケーブルに2チャンネルづつのせ左右のアンプに送ります。
HI、MIDで1チャンネル、LOWで1チャンネルとなります。
HDMIケーブルだけでつながりますので、左右のスピーカーの近隣にパワーアンプ部を設置できます。
パワーアンプ部は、HIとMIDはフルブリッジ(8Ωで15W)、LOはパラレルフルブリッジで(4Ωで30W)となると思います。
操作部からDCXまでは、DSUBケーブルに2組のI2C制御信号と、その他の制御信号をのせ、DCXの左右のHDMI出力のケーブルに乗せます。
コントロールは、本体に4ボタンと、音量調整、押すとミュートのつまみがありますが、赤外線リモコンで音量、設定等の最低限だけ操作でき、リモコンコード学習機能を入れましたので、お好きなリモコンで制御できます。

各スピーカーごとに、0.5dBの音量調整ができますので、スピーカーの能率に合わせて、レベルのセッティングでき、3wayマルチアンプで鳴らせます。

もう少しで、本来のシステムに完成させれると思います。


PSPSP 大塚 さん
三土会の会場でも十分聞こえるくらいの音量になっていました。吸音材にタオルを使ったりして、音質改善も有効でした。
出品者のコメント:


時間があったので、余興という事で発表させていただきました。
製品外観や仕様は先月のレポートをご覧ください。
今回は、自分が家で使う分にはまったく必要がないのですが発表用にアンプを用意してみました。
秋月で2000円ぐらいで売っている1WのD級アンプを電池で駆動した物です。
音出しした結果は・・・まあ、それなりですね。
先日、別の試聴会で、箱の中に吸音材が無いというご指摘があり、間に合わせでタオルを詰めてみましたところ、音がかなり落ち着いたようです。
かなり聴きやすい音になりました。
TangBandのユニットは、なかなかいいものですね。

スナップショット