第155回 関東三土会 (2014年3月15日)

総括


司会:岩井、写真:松川、記録:松本

出品作品

加藤 さん
ヘッドフォンバッファの出品です。リニアリティーを追求した回路構成だそうです。全員で視聴ができなかったため、回路図を見てのQ&Aが中心でした。活発な質疑応答がありました。後で視聴させていただきましたが、なかなか良い音でした。


見元 さん
NE5532/TDA7377+MOSFETアンプの出品です。視聴の結果、多くの方が、NE5532の方が滑らか(柔らか)な音との感想でした。小さい音のニュアンスはよく表現されていましたが、FETの特性のせいか、大きい音で若干がさつく感じがありました。

出品者のコメント:
三土会のみなさんの聴力をお借りでき、次回のアンプの方向性が決まりました。今後は、NE5532+MOSFETアンプの改造を行っていきます。
松川 さん
オペアンプ+MOSFETアンプの紹介です。ちょっと硬めの音でしたが、バランスの良い音色でした。IMALUさんがカントリーを歌ったソフトの紹介もありました。
出品者のコメント:
このFETアンプは三土会では既出となります。SW電源(±24V)で駆動しています。昨年の夏に真空管が暑いので使用していましたが、ICアンプが完成したのでそろそろトランス電源に改造しようと考えています。オペアンプ+MOSFETアンプが他にも出品されるとのことで聴き比べのために持ってきました。IMALUさんの音源はIMALU Live Loungeで検索してください。もっといろいろ歌っています。
大塚 さん
電流帰還アンプキットの紹介です。会のSPのインピーダンス特性のせいか、低域の迫力が足りないような気がしました。
出品者のコメント:


まあ、1Wぐらいの出力ですので、あんなもんですね。
あんな広い会場で鳴らすようなアンプではないのかもしれませんね。

しかし、電流帰還アンプの雰囲気はつかんでいただけたのではないでしょうか。


岩野 さん
CS4525を4個使ったフルデジタルのマルチシステムの紹介です。HDMIを使ったスマートなシステムでした。ごめんなさい。リーポーターの体調が悪いようで、のべ~とした音に聞こえました。

出品者のコメント:
今回は、本来の動作させる形にさせて持ち込みました。
スピーカーは、とりあえず3wayマルチで接続できるようにと、昔のSONYのミニコンポ物を内部から線を引き出したものを持ち込みましたのですが、システムが動いているという確認できる状態での音だしでした。
次のお寺大会では、事務局様のご好意で、3wayマルチのスピーカーをご用意していただけるようですので、どのような音で鳴らしてくれるか楽しみです。
自宅では、サブシステムのNS-1000M(マルチ改済み)で、エージングを続けていきます。
動作に異常なければ、メインシステムでも、鳴らしてみようと考えております。
石田 さん
電流アンプ対応の2Wayスピーカシステムの紹介です。目玉おやじがかわいいです。低域は・・・・。中高域はのびやかでよかったです。
出品者のコメント:
 前回のスピーカをデジチャン3kHzクロスで2Wayにして出品しました。

 ツィータは同じPARCのローコストユニットですが、これも対向にして発泡スチロールの球につけています。本体とは板ばね状態で取付け振動遮断をしています。

 低域のエンクロ―ジャは7リットルほどのごみ箱を流用、補強と吸音材を入れていますが、まだ低域不足ですね。アンプは3chの電流マルチで鳴らしています。
松本 さん
PROTROの平面スピーカーです。インピーダンス特性がフラットなSPです。電流(帰還)アンプの出品があるということで持参しました。周波数特性は上下とも出ないかまぼこ特性でしたが、電流アンプとの相性は良いようでした。
出品者のコメント:
本SPは、ヤフオクで手に入れたものです。インピーダンス特性を測定したところ、ダンパーもエッジも無いためかピークが無くフラットな特性となっています。電流アンプとの相性がよさそうということで持参しました。予想通りの結果でした。

浅川 さん
ウーファーにSB ACOUSTICSの12NRX25-4、ツィーターにVifaのDQ25SC16-04を使用した2Wayスピーカの紹介です。高音に特徴のある音でしたが、全体的にはバランスはよかったです。
出品者のコメント:
このようなご指摘を頂いたほうが参考になります。高域のクセはチタンの震動板が怪しいかもしれません。音楽ソースを貸していただいた見元さんに感謝します。
小高さんのマトリクス再生の時は私のアンプス・ピーカー共に使用に同意しましたが小高さんの持参アンプと比べると入力感度が違いすぎて不便だったのではなかったですか?
小高 さん
往年の4チャンネルデコーダの紹介です。いま改めて聞くと、何とも不思議な音場空間でした。音像を表示するLEDが印象的でした。
出品者のコメント:
 今尚流通し、所持していない人はいないマトリクス4ch方式で録音されたCDは、現在でもそれを再生する手段が無い為、(低音再生と並び)再生が困難な音源の一つで、オーディオ愛好を自称する方でも達成できる人は数える人しか居ないのが実情です。

 依って、オーディオの原点のHIFI(忠実)再生がクリエータの思いを正しく汲み取る手段である事に立ち返る意味でも、上記の課題を解決する為、マトリクス4ch方式で録音された音源を正しく再生するデコーダの開発を始めました。

 今回は、その試作機の一つである、山水QS/SonySQ方式対応のフルロジックデコーダを出品すると共に、各マトリクス方式とそれのロジック有無の比較実験、及び、(再生困難な)各種4ch音源の試聴を行いました。(SonySQフルロジックの方式はクロストークを移相してキャンセルするオリジナル方式です) 尚、一番下はマトリクス4chエンコーダです。

 次回は上位機種の4chデコーダを出品予定です。
蝦名 さん
ハンダゴテ温度コントローラの紹介です。これまで何回か紹介していただきましたが、今回は各種ハンダゴテに対応可能にしたことと、立ち上がりを制御して突入電流を抑え、安全に作業ができるようにしたとのことです。
出品者のコメント:
 セラミックヒーターを使用しているハンダごての温度コントローラです。セラミックヒータの抵抗が温度によって大きく変化することを利用して、ヒーターの抵抗が一定になるようにON-OFF制御しています。
 今回は、セラミックヒーターの抵抗変化を検出する抵抗を交換できるようにし、汎用性を持たせました。
 この検出用抵抗は、セラミックヒーターの室温の抵抗の1/50程度にするとちょうどいい感じです。
 この場合、この抵抗のコネクタが接触不良を起こすと、130Vくらいの電圧がコンパレータに入ってしまうので、高電圧を検出したら制御用のMOS-FETをOFFにする回路を加えました。

 あと、温調用のセラミックヒーターには、室温の抵抗値が非常に低いものがあります。例えば、GootのPX-60Hは40Ωしかありません。このヒーターを使った場合、電源電圧を整流後した直流を流すと、電源スイッチをONにした直後はAC100V3.5Aくらいの電流が流れます。これに平滑用コンデンサの充電電流が加わりますので、AC125V4Aくらいのスイッチだと、20回くらい使うと接点が劣化して使えなくなります。このため、AC125V6Aくらいのスイッチを使う必要があります。
 この問題に対しては、スイッチON直後にヒーターに流れる電流を減らして接点が安定した後にヒーターに電流を流すようにすれば、スイッチの寿命が伸びるだろうと考えました。そこで、制御用のMOS-FETが電源スイッチをONにしてから約1秒後にONになるようにしました。
大塚 さん
1月に行われたDCX2496のデジタル入力基盤制作会の成果を反映した作品です。デジタル入出力専用仕様で、パラメータ表示、変更機能や、アナログ入出力機能は一切省いてあました。パラメータの変更などはPCで行うそうです。

出品者のコメント:


皆様のアドバイスのおかげで、こんなにすばらしい(当社比)チャンデバが出来ました。
いくつかの改善点のアドバイスもいただけましたので、今後反映させていきたいと思います。

今回の改造の要点(左の写真3枚目)は、会員サロン→データ交換会議室→DCX2496改造メモ としてPDFファイルに残してあります。
必要ならば参考にしていただければと思います。
荒木 さん
こちらもDCX2496のデジタル入力基盤制作会の成果を反映した作品です。アナログ用にトランスを組み込みました。出力はデジタルのみとなっています。合わせてVR付きDACを新調して2Wayマルチを楽しんでいるそうです。


前田 さん
若手音楽家(というより卵?)の演奏の録音でした。いつもの釣竿マイクによる生録です。年齢からは想像できない素晴らしいテクニックでした。ちゃんと羽化して羽ばたいてくれることを期待させる演奏でした。
出品者のコメント:
 バリバリのクラシックファンの抜作三太郎 こと 前田@厚木です。

 いつもの録音ネタですが、今回はホールの右側席での録音でした。
 マイクをふた(屋根?)の前方向に置かないと直接音が少なくなるようでピアノがホールの音に隠れがちです。
 ヴァイオリンはそこそこ録れていたと思いますが。
 もう少し目立たないマイク(セッティング)を考えないといけないかな。

スナップショット