第181回 関東三土会 (2016年8月20日)

総括


暑い日が続いていると思ったら、大雨も追い打ちをかけて、秋葉原駅が水浸しになっていました。それにもかかわらず、多数の出品がありました。

司会:大塚、写真;岩井、記録;蝦名

出品作品

小高 さん
最初に生録音源再生
フランスのリヨン交響楽団のソリストの生録を再生していただきました。くっきりしていて臨揚感のある音を聞かせて頂きました。

サラウンドデコーダ
LP,カセットテープからCDに変換した音源を用いて再生して頂きました。4チャンネル再生の臨揚感がよく出ていたと思います。前半は山水のQS方式で再生しました。各チャンネルの分離が良好でした。
後半はSONYのSQ方式でしたが、こちらはゆったりした空気感を再生しているような感じでした。SONYがチャンネルの音を十分分離できる装置を発表しないまま撤退したので、この音を再生できるのはこの装置だけということです。

資料はこちらです
出品者のコメント:
 以前発表したものから若干回路を簡素化したマトリクスサラウンドデコーダです。
 
今回の資料です。
 http://www.hi-ho.ne.jp/odaka/quad/sando10.html

見元 さん
TDA2030アンプ
入力と出力を比較して差が無いアンプを目指しているとのこと。
ICアンプらしいまとまりのある音です。本人は音が薄いと言っていましたが、普通に音が出ていたように感じました。
出品者のコメント:
今回、出力を上げるために変更したVRが悪さをしていたことがわかりました。
「単なる抵抗定数変更なので問題ないだろう」という思い込みが足を引っ張ったようです。
肥後 さん
無帰還電流ヘッドホンアンプ
お寺大会で入手したニッカド電池を使用し、金鳥蚊取りの缶に入れています。
33Ω負荷の条件でオフセットは20mV程度に抑えられるとのことです。保護回路も、±150mVで働くように工夫した回路を採用しているとのこと。
電源ONの時は、出力ショートなのでOK、電源OFF時もポップノイズが出ないような回路を工夫したとのことです。
ヘッドホンを持参した人が視聴していましたが、良好な音質ということでした。
出品者のコメント:
試聴していただいた方からは好評価をいただきました。製作記事はここです。

試聴用に用意したパソコン音源はぼくがクラブで使用しているDJセットです。
DJをPCでおこなう場合はDJ専用ソフトを使ってサウンドカードをメイン出力と選曲モニター用の2系統用意する必要があり、DJソフトによっては専用のサウンドインタフェイスを使わなければいけないなど制約がある場合もありやっかいです。
PCでの音楽再生は、カーネルミキサーによる音質劣化や、WASAPIやASIOはソフトやサウンドデバイスの対応の問題があり、なおかつクラブシーンにおいては音飛びを絶対に起こしてはいけないということもあって、現在のセッティングにたどり着くまで紆余曲折がありました。
最終的なセッティングは次の通りです。

OS:WindowsXP SP3
サウンドカード:SB Premium HD
DJソフト:mixvibes HOME

WindowsXP SP3はカーネルミキサーによって音質劣化のない唯一のWindowsのようです。
SB Premium HDはD/AにAK4396を使用しており、ぼくの手持ちの中ではPCM1794に迫る音質だと思います。
使用音源はすべてCDまたはレコードからLPCM 44.1k/16bitでリッピングしています。


石田 さん
Lab gruppen IPD 1200改
4オームで600W×2のフルデジタルのアンプです。25MHzの水晶をルビジウムクロックに変更し、電源を出川式のアナログタイプに変更しています。だいぶ音が変わったとのことです。
内部にチャンデバが入っていて、LANケーブル端子でPCから制御するようになっているプロ用の機器とのことです。
出品者のコメント:

石田 さん
2wayフローティングSP
ウレタンフォームを使ってフローティング構造にしているとのこと。余計な共振音が聞こえないためか、静かで分解能が高く、聴きやすい音に仕上がっていました。人の声もさ行が荒れずにクリアに聞こえていました。

出品者のコメント:
 以前から作ってみたと思っていましたが、ようやく初めて本格的?なフローティングSPが出来ました。
 ウーファユニットはseasのW15CY001で、ツィータはT29MF001の振動板違い(ソフトドーム)のユニットです。

 構造的にはウーファユニットを内バッフルに取り付け、それをエンクロージャや止めネジの間に5mm厚のウレタンを介して取り付けてあります。フレームをぐっと押すと僅かに動く程度です。

 このくらいででもフレームから周辺バッフルや側面への振動伝播はかなり違い、ユニットからの振動遮断効果を確認できました。もちろん音への影響もあり、すっきりとして細かい音が良く聞こえるようになりました。全体の構成はまだ途中ですが、うまくまとめたいと思います。
松岡 さん
ムービングマグネットスピーカー(箱入り)
箱を作って頂いたので納めてみたとのことです。ウレタンシートを貼り付けた固めのエッジですが、比較的低音が出るようになっていました。説明を聞かなければ、普通のスピーカーと同じと思えるような再生音です。
ジャズ演奏の再生では、くっきりした音で、楽器の分離も十分でした。
出品者のコメント:
ご評価ありがとうございます。
ただエッジは「ウレタン」ではなく「ポリエチレン」です。

またダンパは無くエッジだけでダンパを兼ねています。

箱に入ると薄型ユニットなのが見えませんね!
塩沢 さん
OSTEX M800 7L ZWBR
アルミコーンのユニットです。8cmでありながら、オスカーピーターソントリオの「you look good to me」の低音も、再生できていました。また、床置きだと、低音だけでなく中低音域も充実してきて、大口径スピーカーに負けないくらいの再生音になりました。8cmの良さも出ていて、すっきりした音に仕上がっています。「and I Love herジャズバージョン」の低音も再生できていたと思います。
さすがにサン・サーンスの3番の低音は苦しいですが、雰囲気は感じることができました、床置きにすると、少しは良くなりますが、これだけ超低音が入っている音源の再生はやはり難しいようです。
出品者のコメント:
Stereo誌付録のFOSTEXの8㎝フルレンジM800を7LのZWBR実験箱に取り付けてダクト条件の最適化を行ってみました。最適条件では思いのほか低音域の再生ができました。ニアフィールドで結構楽しめるユニットだと思います。関連する情報は以下の通りです。
 技術情報: http://blog.livedoor.jp/qcreate/archives/52039013.html
 再生音: https://www.youtube.com/watch?v=TuyL0YLzs6w
横江 さん
TDA1541A DAC
今でも自作マニアの間では人気の高いTDA1541Aを使ったDACです。実験基板が出てきたので、アナログ部分をOPアンプ(NE5532)で簡単に済ませて作ってみたとのこと。NOSDACらしい伸びのある素直な音が出ていました。ローパスフィルタは、SONYの機器に入っていた村田のモジュールを使っているとのこと。10kで1.5dB、20kHzで4dB程度落ちているとのことですが、NOSDACの特性がそのまま出ています。
出品者のコメント:

大塚 さん
ZOOM 200M H4nで録音してみました
法事、御詠歌のときに録音したものを聴かせていただきました。
法事の録音では、木魚の音圧レベルが非常に高くて、スピーカーのコーン紙が盛大に振れていました。木魚の音圧のすごさが分かります。
御詠歌も正面で録音しただけあって、綺麗に録れていました。風圧によると思われるコーン紙の揺れが見えて、扇風機による風の影響と思われます。
出品者のコメント:

録音って、やってみると面白いですね。

なかなか上手に出来ません。

録音中、VUメーターをじっと見ている人の気持ちが良くわかりました。
蝦名 さん
ハンダゴテ温度コントローラ(前田さんのアイディア採用)
倍電圧整流回路を利用して、その電圧でMOS-FETを駆動するようにしたバージョンです。前田さんのアイディアを拝借しました。今までのものと同じように動作しています。
出品者のコメント:
前田さんから、「トランスを一個減らせるんじゃないの」という意見を頂き、試行錯誤しながら作ってみました。結局、単純に倍電圧整流して抵抗で電流を決めるのが一番簡単ということが分かり、以下のような回路になりました。
回路図

基板

桃電 さん
amazon中華マイク(BM-800)ECMを用いたDCマイク
一個2500円でamazonから入手可能なマイクカプセルを使い、アンプ部をDCマイク回路にしてみたとのこと。ネットで改造例を見つけることができますが、桃電さんのノウハウを取り入れたDCマイク構成にしています。
今回は、装置の関係で録音したものを再生できなかったので次回に再生して頂けるとのことです。
出品者のコメント:

高間 さん
Analog Discovery + FRAplus
手作りアンプの会のaritoさん、ソフトンさんの端子類を使い、ケースは自作した測定器です。
analog discoveryは1Hzくらいから1MHzまで対応しているので、オーディオアナライザよりも広い範囲を測定できるということで作ってみたとのことです。持参の真空管アンプを測定しながら、使い方を説明して頂きました。
このシステムを共同制作しようという話が会場から持ち上がっていました。
出品者のコメント:

スナップショット