第184回 関東三土会(2016年11月19日)

総括


今回は、色々特徴のある作品が集まりました。

出品作品

石田 さん
うみほたるヘッドホンアンプ
2000年頃に作ったヘッドホンアンプです。電流出力アンプで、出力インピーダンスは2~3kΩ程度、帯域は10Hz~650kHz、出力電圧は±2Vp-pです。
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出品者のコメント:
 まあ大分前に作ったものですが、何とか動いているようです。

 電流アンプなのでやはりボータプルプレーヤ直と違った音が楽しめますね。
高間 さん
FRAPlus DF測定アダプタ兼ヘッドホンアンプ 2W×2
内部に2Wくらいのパワーアンプを入れているので、これを使ってDFを測定するようにしています。ついでに、ヘッドホンアンプの端子を付けたものだそうです。
出品者のコメント:
ヘッドフォンはほとんどやったのことがなかったので、ちょうど良い機会と端子を設けてみました。アンプの回路は本来が測定器として作ったので、TL08にダイヤモンドバッファーを付加しただけの物です。
考慮した点はヘッドフォンを接続したときには約8Ωのダミーロードが入るようにしてアンプの動作が極力変わらないようにしたことと、ハイインピーダンス系とローインピーダンス系のヘッドフォンによって感度を切り替えられるSWを設けたことです。
音質はヘッドフォンの音になってしまうような気がしますが、電源ON/OFF時のノイズを減らすなどの課題を感じました。
お寺大会用のアンプはこの点にも留意しようと思います。
石田-2 さん
300円円筒スピーカ
ダイトーボイスを作っているらしい東京コーン紙製作所のF77G98-9を使ったスピーカ。3886の電流出力アンプで駆動しています。外観からは想像できないまともな音です。無指向性ということもあって、演奏と、人の声の雰囲気がよく出ていました。フローティングよりも、筒を鳴らすぐらいにした方が良い結果が出たそうです。
電圧アンプで鳴らすと、バランスが変わってしまい中音中心の音になりましたが、音の広がり感は電圧アンプの方がよく出る感じでした。
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出品者のコメント:
 瓢箪から駒という感じで、元々期待していなかったユニットを色々試していると中々聞ける音になっていました。
 そこで外観も整え見栄えのするようにまとめてみましたが、スピーカは鳴らしてみるまで解りませんね。調整も肝心のようです。
 家一番のローコストですが、結構聞けます。
松岡 さん
可動磁石2ウェイスピーカ
ツィータとのクロス周波数は6kHz程度で、コンデンサで低域カットしています。アタック系の音が得意な感じで、リズムを刻む楽器が目立って聞こえます。超低音はちょっと苦しいですが、イーグルスのホテル・カリフォルニアライブ録音もクリアに再生できています。ムービングマグネットの特徴なのか、中音領域を押し出すような再生音は魅力的です。
出品者のコメント:
狭い家では十分低音感があるのですが三土会会場は広いのでもっと振幅が欲しいです。
音量が足りないとどうしてもフレッチャー・マンソンになってしまいます。

ツィータの磁気回路はウーファと同じ物ですがボイスコイルをインダクタンスの小さい物に変えてあります。
逆にウーファのボイスコイルはフルレンジの時に使ったのよりインダクタンスの大きいのに変えて自然にローパスになっています。
浅川 さん
Fountek FR89EX+wパッシブラジエータ
パッシブラジエータは、ピアレスの830-880を使用しています。ICアンプ1875を使って音出しをしました。中域が中心の音作りで、音を前に押し出す感じがいいです。
イーグルスのホテル・カリフォルニアライブ録音を再生してみましたが、超低音は苦しいですが、ボーカルが前面に出る感じがよく出ていました。
出品者のコメント:
狙い通りにはならなかったという気がします。特に低音は改善の余地が多々あるようです。
スピーカーユニットについては素性が良い方だと思います。LM1875の音は中音域の音が個人的に好きなので使いましたが低域は得意ではないので若干の影響はあったかもしれません。
竹内さんからご助言いただけたことを感謝します。
土屋 さん
デスクトップスピーカ
以前のスピーカーを同軸にしてみたものです。低音感がよく出ています。但し、今回は調整不足ということで次回以降に再挑戦するそうです。
出品者のコメント:
デスクトップは聴取位置と音源が近いので点音源化という事で同軸化したのですが、お恥ずかしい結果で恐縮しています。

北浦 さん
JBL 4312M
会のスピーカーが使えない可能性があるということで、持参して頂きました。メーカー製スピーカーということで、バランスの取れた音です。
出品者のコメント:

肥後 さん
PICとPCM1795のSDプレーヤ/FMラジオ
I/V変換をOPアンプとトランスの両方を使えるようにしています。OPアンプはNJM3404、トランスはST-71です。OPアンプはくっきりした音です。一方、トランスは、音が伸びていて、雰囲気があり、聞きやすい音です。かなりの違いがあるように感じました。

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出品者のコメント:
今回はPICもC言語も初めてだったのでかなりやりがいがありました。I2Sが出ているので、DACを替えたり、I/Vを比較したり、発振器を替えるなど楽しみが広がりそうです。

選曲リスト
1.恋のバカンス - Salsa Peanuts
これはアメリカで出されたザ・ピーナッツのサルサカバー版です。

2.枯葉 - 藤原清登
この人のベースは1000万円以上するものだそうで、ライブハウスで生で聴きましたがくととてもいい音でした。

3.太陽のSEASON (NEW ALBUM MIX) - 安室奈美恵
1995年の安室ちゃんの1stアルバムから。ほとんど演奏されなかったアルバムMIXです。今年は安室ちゃんYearでしたね。

4.桜色舞うころ - 中島美嘉
この録音はボーカルが生々しくていいんですよ。
大塚 さん
地域教育会議コンサート録音
こどもふれあいコンサートin中野島 カリタス学園講堂
zoomの録音機で録音したものです。くっきりした音で録音できていました。
出品者のコメント:

前田 さん
マイクと録音 2件
バウンダリーマイクと、竿マイクと、市販のレコーダーの録音を聴き比べました。今回紹介して頂いた録音では、演奏者との距離が近いバウンダリーマイクの録音が一番いいように感じました。
また、大塚さんと同時に録音したものも聴かせて頂きましたが、WM-61A無指向性マイクの特徴が出ていて、より空気感のある録音になっていました。
出品者のコメント:
バリバリのクラシックファンの抜作三太郎こと前田@厚木です。

「バウンダリーマイクも良いよ」、と言われて竿マイクを床置きして録音していましたが、やたら踏まれるので、新たにマイクを作ってみました。
何とか踏まれずに録音できたのですが、いつも同じことをやればいいのに、ついついいつもと違うことをやろうとするもんだから、かなりの確率で失敗します。
今回も一寸失敗してしまいました。とりあえず、新作バウンダリーマイクと竿マイク、市販のICレコーダーとの比較を聴いて頂きました。やはり、近距離で録音した方が好きですね。

女子高校のコンサートの録音では、ICレコーダーと竿マイクの比較を聴いて頂きました。
ヘッドフォンで聴くと、ICレコーダーではかなりクリアに聞こえて、一寸がっかりしていたのですが、スピーカーで鳴らすと雰囲気が全然違い、これからも続けていけそうです。

とりあえず、失敗しない手順を確立させないと.....。
高間 -2 さん
FRAPlusDF測定デモ
電流注入法による測定ができるように組み上げています。DFが100くらいのTrアンプだと、On-Off法では一個の電圧計で測定する場合に、電圧を読取りが難しくなり、精度が悪くなります。これに対し、電流注入法は、電圧計の感度を切り替えて精度を上げ、DFの高いアンプでも精度良く測定することが可能になります。
出品者のコメント:
AnalogDiscoveryとその動作用のフリーソフトFRAPlusを利用したオーディーアナライザーです。今回は、DFを手軽に測定できるアダプターを製作しました。
測定器本体とアダプタ間はアナログ信号を通したLANケーブル1本で接続できるように考慮しています。
今回採用している注入法により、450程度有るTL08+ダイヤモンドバッファーのアンプのダンピングファクターの周波数特性1Hz~1MHzを1分以内に測定することができました。
今回のシステムは、測定が手軽に非常に速くできることと10Hz以下の超低域の特性が測定できるのは大きなアドバンテージと思います。
時代は進歩していると実感しますね。
私の持っている古い測定器もいくつか廃棄処分になりそうです。

スナップショット