第3回 山中湖合宿

2009年10月24〜25日

−於思学荘−


 今年は 新型インフルエンザの流行で、直前にキャンセルが続出しました。それでも、18人の参加があり、充実した合宿となりました。


今回のテーマは「デジタルケーブル」、「圧縮音楽」、「段間コンデンサ」などでした。



音源
CDプレーヤ: 上野さんが設計した基板を使用したCDプレーヤ、 市販DVDプレーヤを使いました。
アナログプレーヤ: 当日、4000円で入手したプレーヤを使用しました。
DAC: 上野さん設計 蝦名作24bitR-2R(ローパスフィルタ付) DACを使用しました。
 
スピーカー 右が高間さんのDS-97C、左が岩田さんのバックロードSP
 
ユニットをコーラルのFlat8に変更後
  大沢さんのSPの巨大さが分かると思います。
   メインは、DIATONE DS97Cです。 富山から参加された岩田さんのバックロードホーンは、 フルレンジらしい素直な音で、人の声が得意でした。大沢さんの特大スピーカも聞くことができました。



実行委員長の 開会挨拶


デジタルケーブルの試聴


 曲は、森山良子「春夏秋冬」の「さよなら」を使いました。同軸ケーブルは、基準として千石電商映像ケーブル1.5mを選び、他の線と比較しました。 その後、比較してみたいケーブルを選んでもらい、比較しました。光ケーブルは、1本しか接続できないので、千石電商映像ケーブル1.5mと比較しました。
 試聴はブラインドテストとし、2者(例えばAとBなど)から良いと思われる方を挙手してもらいました。


デジタル出力: CD-ROMドライブのデジタル出力を、74HCU04とパルストランスを使った回路で2つに分けます。75Ω 1Vです。これにケーブルを接続しました。 光出力は、FOSTEXの同軸-光コンバータで変換して使用しました。
DAC:  上野さんが設計して配布した24bit R-2R DACを使用しました。同軸はパルストランスで受けて、75Ωで終端しています。光は、 TORX179で受けて74HCU04とパルストランスで出力しています。
 光入力回路の電源は、DACの電源と完全に分けていて、電源を介した干渉を防いでいます。
 また、パルストランスを入れてアース間の干渉も防いでいます。


 同軸ケーブルは7と8で逆転するなど、音の差があまりなくて判断が難しかったようです。
 4では、格安ケーブルの方が評価が高いという結果になったりしていました。しかし、5で格安ケーブルにATTで40%程度減衰させた場合は、 千石電商映像ケーブル1.5mの方が良いという結果となっており、信号の減衰が音質を劣化させるようです。同様の結果は、1で1.5mと5mの比較でも言えると思います。
 6で、格安BNCケーブル(RCA変換コネクタで接続)が好ましいという結果が出ていますが、これは、独特の付帯音(エコー感)があったためです。 曲によっては好ましいという結果になりますが、本来の音ではないような気がしました。
 ただ、後半になって耳が慣れてくると、Wonder Linkが好ましいという結果になってきたようです。これは、 長さが短いということが効いているような気がします。

同軸ケーブルの比較
番号 ケーブル1     ケーブル2   備考
1 千石電商映像ケーブル 1.5m   千石電商映像ケーブル 5m    
2 千石電商映像ケーブル 1.5m   オーディオ用ステレオRCAケーブル 3m    
3 千石電商映像ケーブル 1.5m   LAN(cat5)ケーブル内部線利用 1.8m   上の写真で分かるように、赤白の細い撚り線です。
4 千石電商映像ケーブル 1.5m     格安映像ケーブル  
5 千石電商映像ケーブル 1.5m   格安映像ケーブルに-4dBπ型ATTを加えたもの   評価は拮抗していた。
6 千石電商映像ケーブル 1.5m     格安BNCケーブル(RCA変換コネクタで接続) 格安BNCは、付帯音があり、これが有利に働いたようである。
7 Wonder Link 1/0.5m
(定価4万円)
    千石電商映像ケーブル 1.5m 評価は拮抗していた。
8 Wonder Link 1/0.5m
(定価4万円)
  千石電商映像ケーブル 1.5m    
9 Wonder Link 1/0.5m
(定価4万円)
  格安映像ケーブル    
10 Wonder Link 1/0.5m
(定価4万円)
  LAN(cat5)ケーブル内部線利用 1.8m    
○印が挙手数の多かったもの

 同軸ケーブルと光ケーブルの比較では、光ケーブルの方が圧倒的に好ましいとう結果になりました。この原因の一つは、 同軸ケーブルにはパルストランスが2重に入っていたことが考えられます。光ケーブルも、パルストランスを2回通ってはいますが、 TORX179の後に74HCU04の回路が入っているため、有利に働いた可能性があります。
 もう一つは、光受光回路の電源をDAC電源と完全に独立させていたことが考えられます。これにより、電源或いはアースを介した干渉が抑えられ、 光本来の特性が出た可能性があります。

 いずれにしても、光だから音が悪いということにはならないという結論になりました。同軸も光もきちんと回路を組めば、 同等の結果になるような気がします。

同軸ケーブルと光ケーブルの比較
番号 ケーブル1     ケーブル2   備考
1 千石電商映像ケーブル 1.5m     千石電商オーディオ光ケーブル 5m 光ケーブルの方が好ましいという意見が多数
2 千石電商映像ケーブル 1.5m     千石電商オーディオ光ケーブル1m
3 千石電商映像ケーブル 1.5m     USBサウンドアダプタ付属の光ケーブル(細くて固い) 1.5m
4 格安BNCケーブル(RCA変換コネクタで接続)     USBサウンドアダプタ付属の光ケーブル(細くて固い) 1.5m
○印が挙手数の多かったもの


段間コンデンサによる音の違い




 今回は、準備が間に合わなくて、他のコンデンサが多数直列に入る条件で比較しました。それでも、明瞭に差が出ているようです。
 コンデンサは1本ずつでしたので、左右の信号を合成して下記コンデンサを通した後、左右に送り出しました。ステレオでモノラル再生しますので、音像は中央に位置するはずですが、意外と音像が大きくなるものがありました。試聴は、ブラインドテストで行いました。
 人気投票の結果、TRW社のコンデンサと、指月のコンデンサが好ましいという結果になりました。

段間コンデンサの比較
番号 コンデンサ 人気投票の
順位
備考
1 指月フィルムコン(黄色) 400V 1μF 1 人の声のサ行が若干荒れるがバランスの良い音
2 理研ノンポーラ 50V 10μF 3 人の声のサ行の荒れが最も大きい。音像が大きくなる
3 TRW 600V 0.5μF 1 人の声のサ行が荒れるが、まとまりの良い音
4 マルコンTACB 400V 1.5μF 4 人の声のサ行が荒れない。音像が小さくなる



MP3の音と元CDの音の比較


 圧縮したファイルをパソコンに保存し、USBオーディオアダプタ(ONKYO SE-U55X)から24bit R-2R DACへ出力して再生しました。

 128kbpsのときの人気投票の結果を下表に示しますが、wmaの音作りのうまさが目立ちました。但し、それほど差があるわけではありません。 64kbpsだとどれも崩れてしまいますが、特にAACは使えないレベルでした。OGGでビットレートを変えたときの評価も行いましたが、 128kbpsと192kbpsではそれほど差がない感じでした。
 説明資料(pdf)はこちら。

圧縮音楽形式による音の評価(128kbps)
番号

形式

評価の順位 備考
1 WMA 1 うまくごまかしてそれらしく聞かせている。
2 OGG 2 一番素直な音か
3 AAC 3 ちょっと癖がある
4 MP3 4 他とそれほど差があるわけではないが、暗めの音か


LPレコードとCDの同盤同時再生


 大沢さんのシステムを使って再生を行いました。未発表のテスト版を使用していましたが、CDとLPレコードはそれなりに差があります。しかし、 それよりも、マスターの違いの方が大きいように感じました。





蓄音器試聴


 蓄音機が3台あって、試聴することができました。荒木さんの、「蛍の光」に関する蘊蓄がよかったです。懐かしい音でした。

岩井さんのエジソン蓄音機と手回し蓄音機
 
荒木さんの手回し蓄音機(右)と説明の様子


自作機器試聴会



 安江さん、内田さん、木村さん、高間さんなどのアンプの試聴をおこないました。また、富山県から来た岩田さんのスピーカーの試聴も行いました。 斎藤@足立区さんは、「オーシャンゼリゼ」の聴き較べを行いました。

安江さんの力作
一番下が12AX7+6DJ8差動プリ、中がLME49860使用のEQ + 2SK170差動プリ。 一番上は、DVDプレーヤです。
   
内田さん
832A PP(左)と 832A差動PP(右)
木村さん  説明はこちら
   
高間さん

 

 

会場の様子


休憩
   
戦い済んで日が暮れて


食事など




思学荘の前


近くの柳原うどん


 

集合写真





文章:蝦名、写真:荒木、内田、内山、大塚、堀尾

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