第217回 関東三土会(2019年12月21日)

総括


師走の忙しい中、多くの発表がありました。マイク製作とそれを使った生録の良さが分かってきたせいか、録音の発表が目立ちました。

出品作品

差動PPアンプ 松川 さん
6693-6GB8ツインモノppアンプです。出力が5〜6Wということですが、それ以上の出力がある感じで、伸びのある音が出ていました。現在は貴重品である6GB8についての話で盛り上がりました。
パイプオルガンの演奏を録音したものを聞かせて頂きました。WM61A改+マイク基板からアンバランスで出力し、PCMレコーダによる録音でした。44k24bitの録音ですが、会場の雰囲気が出ていてよく録れていました。会場からも、いい音で録れているという声が上がっておりました。
出品者のコメント:
6693→5693です。6SJ7の高信頼性管です。T氏の設計による前段差動のPPアンプです。今回6BG8を使用しましたが、他にピン配置が同じビーム出力管を差し替えて楽しめます。家ではトッププレートの6GB3Aを使用しています。
マイクアンプ基板を借用?させていただいたのですが、バンランス出力なのでOPアンプでアンバランス出力にしてワンポイントステレオとしてごまかして使用しました。ゲインがわからずぶっつけ本番なので最初のゲイン調整を失敗しました。
LM12型パワーアンプとサラウンド 小高 さん
サラウンド録音と明記されていないものであってもSQ、或いはQSで録音されているものがあるということで説明と再生をして頂きました。
SACD版がある場合は多chの音源と比較しましたが、音像の位置がほぼ一致していることが分かったということです。他にもサラウンド録音の効果が大きい音楽を聞かせて頂きました。
出品者のコメント:
パワーアンプの間違い訂正とサラウンド再生のデモをさせて頂きました。
時間の関係もありパワーアンプ試聴を省略した事をお詫びします。
以下、関連資料です。
http://www.hi-ho.ne.jp/odaka/quad/sando24.html

中国製60W×2 D級アンプTA7489(未完)高間 さん
中華製のアンプ基板(Aliexpressで800円くらい)を使ったアンプです。電源電圧30Vで約60Wの出力が出ます。アンプ全体で2500円程度と格安ですが、柔らかく伸びのある音に仕上がっていました。美空ひばりの声もなかなかいい感じで再生できていたと思います。


当日の配布資料はこちら

出品者のコメント:

10cm 2wayスピーカ 土屋 さん
ツィータのf0が4kHzのため、クロス周波数の調整に苦労しているようです。そのせいか、高域側に少し暴れを感じる音ですが、全体としては前に出てくる伸びのある音でした。
バッフル板は、古い家屋の柱を切り出したもので、燻された匂いがあるとのことです。
トランス式アッテネータを自作して、その特性を測定した結果についても紹介して頂きました。

当日の配布資料はこちら
出品者のコメント:
上述コメントの通りと思います。
素性は悪くないと思いますが、消化不良の部分がありますのでもう少し詰めてみます。
SBアコースティックSB65WBAC25-4 フローティングマウント+ダブルバスレフ(最終版) 浅川 さん
前回とはサポート部の材質を変更して音が変わったということです。また、真鍮製の足を付けています。高温から低音までバランスがよく細かい音まで再生できていて、聞きやすい音でした。
また、ミューズの方舟に参加したということでしたが、その時の状況などについても話して頂きました。
出品者のコメント:
ミューズの方舟自作スピーカーコンテストで私自身は一等賞を狙おうとかはあまり考えてませんでした。ただし出品する以上は存在感がある作品でありたいとは思いました。予想通りほかの9作品とは明らかに違う作品だったことは間違いないと思っています。自己採点で完成度は70点程度でしょう。このようなSPユニットにさまざまな工夫を加えて参加することはクリエイティブであり私自身には面白いし良い刺激になります。創作は楽しいです。
ご静聴ありがとうございました。
SB10PGC21-4バスレフ+フローティングM 試作 浅川 さん
ユニットの裏側から引っ張ることでサポート部とユニットを固定する 新しい試みを採用したスピーカーです。容積は小さいながらもバスレフで50Hzまで再生できそうということです。片側しか完成していないので、モノラルで聞きましたが、鬼太鼓座の弓ヶ浜は雰囲気を再生できていたと思います。
出品者のコメント:
ミューズの方舟2019自作スピーカーコンテスト会場でギャラリーの方が拙作をみて一言「これ引くのかと思った」というのです。私の作品の後方のボルトがSPユニットを引いているのかと思ったというのです。そこで私は押している事を説明しました。「そういえばタイムドメインSPは上に向けて錘の重力で固定していたな」では垂直のベクトルを水平にすれば前を向くだろう。あとは錘を使わず独自の方法で固定しています。この方法が最善かどうかは別として検証してみようとおもいます。
一体型ラズパイネットプレーヤで生録再生 石田 さん
ラズパイとルーターと電源(3電源)を一体化したもの。電源の強化とMPDソフトの選択によりラズパイも音源として十分使えることが分かりました。
我孫子オーディオクラブの演奏会を録音したものを再生して頂きました。SONYのD50で録音したということですが、生録の良さが出ていたと思います。
出品者のコメント:

ラズパイとPWMアンプ 関澤 さん
ラズパイの電源をGPIO経由で供給し、DACボード(PCM5242)の電源は別電源で供給するようにしています。ラズパイの電源は過渡応答に優れたものを使ってみたとのことです。パワーアンプはアイスパワーを使用しています。音を押し出すような再生音は魅力でした。


出品者のコメント:
アズパイを上手く活かすと、高価なオーディオ機器を軽く凌駕できます。
クリーンな電源と、位相ノイズの低いクロックを使うのが肝要だと思います。
試聴にお付き合いいただきましてありがとうございました。
録音データ 4回分 前田 さん
録音の機会がたくさんあったということで、録音の成果を聞かせて頂きました。
やはり、前田さんの録音は自然な雰囲気でよく録れていました。バイオリン、ソプラノ、ピアノ、加工していない音はやはりいいです。また、ワンポイントマイクの録音の効果なのか、演奏の熱気が伝わってくるような気がしました。
出品者のコメント:
 バリバリのクラシックファンの抜作三太郎 こと 前田@厚木です。
 
 前回の三土会から5回も録音する機会があり、聞いていただきました。
 マイクの配置は、会場と主催者の意向で許される場所が限られます。いろいろなマイクを作ったけれど、「目立たない」というのが最重要ポイントですね。
 演奏者の真下に配置したバウンダリーマイクでもかなり綺麗に録れていました。天井からぶら下げたマイクでは会場の雰囲気が伝わり、どちらを選ぶかは趣味の問題で、....どちらも捨てがたいです。

スナップショット


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