第189回 関東三土会(2017年4月15日)

総括


暖かくなってきて出かけるのも苦にならない季節になりました。今回もたくさんの発表がありました。

出品作品

小高 さん
完成したアンプ(LM12等価ディスクリートアンプ)

前回のディスクリートアンプで未完成であったケース加工を行い、メーターを付けたものです。
ダイオードを使った対数アンプでメーターを駆動しています。対数アンプのダイナミックレンジが45dB程度なので、下の方は精度が犠牲になっているとのこと。また、メーターはJISに準拠したものではないので、オーバーシュートで少し高めの値を表示しているようです。
イーグルスのホテルカリフォルニアのライブ録音は、雰囲気がよく出ていたと思います。
出品者のコメント:
見栄えが変わった丈にも関わらず貴重なお時間を頂き有難うございました。

関連資料です。
 http://www.hi-ho.ne.jp/odaka/quad/machida2.html
後藤 さん
Full bridge アンプ

full bridgeアンプの4回目の発表です。今までのアンプを改良し、出力を上げ、温度安定性を向上させているとのことです。
出力段のマイナス側は定電流回路ですが、カレントミラーの電流源との電流比が1000倍程度あります。この条件でも安定になるようにPNPトランジスタを使用しています。
フルブリッジなのでバランスが取れていればノイズが出ません。このため、動作バランスをほぼ完全に取っていました。このため、ノイズ対策用のミューティング回路を削除できました。

説明資料1

説明資料2

出品者のコメント:
4号機製作過程で検討不十分な箇所が見つかったので、1~3号機も遡って同様に改良して時間が掛かりました。今後2~4号機も聴いて頂きたいと思います。
基準側にPNPトランジスタを用いたカレントミラーはインターネットで検索すると「パイオニアが考案」との記述があります。特許等の範囲・期限等は不明ですが、個人で使用するだけなら問題無いと思います。
岩野 さん
OPAMP×27パラ アンプ

technicsのclassAと類似の回路で、2個のopアンプ出力を25パラのopアンプで電流増巾しています。さらに、DCサーボ用に2個のOPAMPを使用していますので、全部で29個のNJM4580使っています(1個25円だそうです)。
各OPアンプの出力には33オームの抵抗を入れて、動作の安定化を図っています。
出力が小さいので大音量ではクリップしていましたが、クッキリした綺麗な音でした。
出品者のコメント:
テクニクスのClassAA回路を参考にし
電圧増幅段は、OPA2134
DCサーボにも、OPA2134
電流増幅部は、NJM4580を、27個を使用
NJM4580は、最大電流出力が50mAですので、27個では、1350mA流せるはず・・・です。
今回のは初号機で、電源電源電圧が無負荷で12V程度とちょっと低めです。
8Ω付加であれば、10V程度までは、スイングさせることができます。
実測では、4W程度は出ております

2号機は、電源も15Vまで上げて、32パラにして、出力5W強で製作し、
近所のJAZZ喫茶で、JBLのC36を鳴らしております。
先日までは、無帰還アンプでした、本年度は、32パラです。
石田 さん
Tang Band W2852SH 対向 2Wayスピーカー

ユニット2個を10cmのボイド管に納め、シリーズ接続で8オームで使用しています。
会のFE168をウーハーにして再生しました。クロスは200Hzで、W2852Sはそのまま、ウーハーは12dB/Octで切っています。
ユニットの特性なのか歪み感の少ないクリアな音が出ます。人の声が前に出てくる感じがいいです。また、背面からも音が出ているため、空間感がよく出ます。
背面のカーテンを開けて窓のガラスからの反射音を利用すると、音量が大きくなりました。特にセンターの音量が上がるような感じがありました。また、反射音があっても特に問題なく聞こえていました。
出品者のコメント:
 PARCに続きTangBandでもボイド管使用のミニ対向システムを作ってみました。ユニットはTakeさんの3WayのMIDにも使われたW2-852SH(4cm)です。

 ボイド管は10cm径6cm厚なので0.5Lと容積も小さく、密閉なので低域は200Hzから-12dB/octで下がっています。それで低域のみ2次LPフィルターを入れたウーファと逆相で組み合わせると合成特性が丁度フラットになります。

 指向性はダイポール特性なので、ハの字配置でワイドな臨場感が出るなど面白いスピーカです。次はやはりこれに対向ウーファとツイータと組合せ、3Wayに挑戦する予定です。
浅川 さん
Tang Band W3-2141+ドローンコーン10cm✕2 と駆動用TDA7293アンプ

なるべく小さな箱で、低音が出るようなスピーカーを目指しているとのことです。
ドローンコーンは両サイドに付けていて、かつ蓋を付けて背面に音が出るようにしています。音源が小さいために定位の良い再生音となっています。ドローンコーンの効果を弱めているために、低音が膨らみすぎずバランスの良い素直な音が出ていました。また、パワーを入れると歪むため音量は上げられないですが、かなり低い音域まで再生できていました。

出品者のコメント:
ご清聴ありがとうございました。私自身音響はまだまだ(他も)無知だなとおもいました。ドロンコーンの効果を犠牲にしていたということです。しかしながら試行錯誤しながら現在に至っている事を考えれば良し致します。
自作TDA7293AMPは高域がおとなしくてBGMには良いのだろうと感じました。再考の余地があります。
10㎝径仕様(ほぼ最終形態)はまたいつか出します。期待せずにお待ちください。
肥後 さん
ES9018S DAC

AliExpressでUSB基板、DAC基板、ES9018Sを1万7千円くらいで入手し組み立てたDACです。
ES9018Sらしく、クリアで歪感が少なく聞きやすい音という印象です。高品位な標準となる音でした。
本人の感想では、今まで聴いた中で一番いい音ではないかということです。
出品者のコメント:
作ってみたいという方は、以下参照してください。
ES9018基板
amanero USB基板
ES9018S

試聴した曲は次のとおりです。すべてCDからのリッピングでした。
1.桜色舞う頃 - 中島美嘉
2.必要な書類と愛を - 笠原弘子
3.天国のキッス - 松田聖子
この曲は最近気がついたんですが、「泳げないフリ ワザとしたのよ」のところのコード進行が、ふつうならDm7-G7-C-Am7-Dm7-G7-CとなるところがDm7-G7-C-Am7-Dm7-G7-A♭となっていて、これは偽終止というパターンなのですが曲の途中で使うのはめずらしいです。
4.Fea - JavielFernandez
編成が豪華なSALSAオルケスタです。

関澤 さん
リレー式アッテネータ (64ステップ)

デンマークから購入した基板と抵抗部品セットを使ったアッテネータです。リレーはオムロンの4.5Vのものを使っています。本人曰く、音の変化は殆ど無いということです。
実際に再生音を聞いても、音量を変えた時の音の変化は殆ど無いという印象でした。


説明資料

出品者のコメント:
期せずして、同一日にコアーなリレー式アッテネータが2件も発表されました。
 ラッチングタイプ・リレーなので完全に電源を落としても、減衰量を記憶しているため、使いやすいです。入力インピーダンスを50kOhmは、大きすぎたようです、最近のDAC出力でしたら、10kOhm以下の方が良いと思いました。
岩野 その2 さん
リレー式アッテネータ (128ステップ)

リレー7個を使い、0.5dBステップ、-64dB~0dBの範囲で音量を調整できるようにしています。また、ミュートもできます。基板を増やすことで、バランスで8cnまで調整できるとのことです。
リレーの駆動時間が10mS必要なので、手でボリュームを回すような応答はできないので、後から追従して所定の音量になるようにしています。また、音量切替時は音量を一旦下げた後に所定のレベルになるようにしています。これにより、プチプチと聞こえるノイズを抑えています。
実際に音を出してみると、音量の変化が滑らかで違和感なく音量が変化します。
秋月で安価に購入できるリレーを使っていますので、コストパフォーマンスは非常にいいです。
出品者のコメント:
制御基板 1枚 16文字2行の液晶 (I2C経由での大型LEDも対応予定)
 外部機器の連動用に、接点出力あり

ATT基板 最大8枚 1枚で、2系統の音量調整可能、8枚だと、16系統
 アンバランス、バランスは、部品実装と、配線接続方法で選択可能
 音量設定の抵抗は、12.5mmの通状形状から、面実装品の2015、1608サイズ、MELF型の抵抗が実装可能です。
 リレーも、秋月の格安10個300円の富士通高見沢製の面実装のラッチングタイプ以外にも、同形状でのDIP品も実装は可能なパターン設計です。

赤外リモコン(今回は、アイテンドウ製 学習機能でおすきなリモコンに対応(予定)

 ・音量上げ、下げ、ミュート、リモート電源、設定モード、アイテム上げ、下げ、アイテム次、前、の機能を使っております。

ATT基板は、リレーが片チャンネルに7個のATT部と、ミュートに1個の構成で
左右で16個載ってます。
赤外リモコンでの音量制御コードは、100mSに1回しか発光しないので、秒あたり10ステップ程度の応答速度ですが、手動のエンコーダでは、もう少し高速に応答します。
ラッチングリレーのドライブ回路に工夫を入れて、安価でドライブさせておりますので、
制御ソフトは、リレードライバーに対して、音量下げる側になるようなリレードライブパターンの出力(リセット側の制御)、10mS間リレーをドライブ、音量上げる側になるようなリレードライブパターンの出力(セット側の制御)、10mS間リレーをドライブ
これを逆順で出力すると、プチプチ音が聞こえる場合がありました。
また、基板のパターンも、ノイズが出ないように工夫しております。
電源も、本来ならば、一個に20mA流れますので、16個の制御では最大640mAも流れますが、基板上の1000uFx2のコンデンサで、電源ループを形成させるような回路にし、電源供給側には、低抵抗経由で接続し、電源のパルスノイズ発生の、影響を減らしております。
今回は、プロトタイプでATT基板は20枚のみなのですが、すでに基板の配布のリクエストが届いており、試験的に配布を始めます。

岩野 その3 さん
光り物

直前になって5V電源に19Vを入れてしまったため、一部の表示が出ていませんでしたが音量に合わせて表示が変化します。表示が綺麗なので、デモの時に有効と思われました。
出品者のコメント:
光物好きです。
64バンド、32レベルの表示です。
下記のものを購入しました。
https://ja.aliexpress.com/item/New-Version-LED-Music-Spectrum-VU-Meter-Soldered-Version-Best-Quality/32608090124.html?spm=2114.13010608.0.0.UbA7ws"

高間 さん
スイッチング電源、改造、未完

真空管アンプ用のスイッチング電源を検討しています。前回は、非安定の出力のところまで紹介していましたが、帰還をかけることで94mA程度まで280Vの一定出力を得ることができました。しかし、目標である140mAまでは到達できていません。トランスのインダクタンスを下げる(ギャップを広げる)か、発振周波数を下げることを検討中とのことです。
出品者のコメント:

スナップショット