第222回 関東三土会 (2020年07月18日)

総括


新型コロナウィルス対策が進んだことを受けて、会場が使えるようになりました。マスク着用、入り口で消毒、なるべく窓と出入り口を開ける、座る場所の間隔を開けるなどの対策をしながら開催しました。

出品作品

DCプリメ・DCメイン+α 小高 さん
金田式初期型プリアンプに類似の回路を使ったプリアンプ、以前からの継続して作っているDCパワーアンプ、マトリックス4チャンネルサラウンドエンコーダの設計について説明して頂きました。今回は回路と基板の説明のみで音が出ませんでしたが、次回以降の試聴に期待したいと思います。

プリ回路図
メイン回路図
4chデコーダ回路図
出品者のコメント:
途中経過を報告させて頂きました。

参考資料(最新資料)は以下です。
http://www.hi-ho.ne.jp/odaka/quad/sando26.html

XMOSS基板 小林 さん
SSDACのXMOSS搭載版を櫻井さんと一緒に作っているということで、その状況と作成した基板について説明して頂きました。音出しできる状態になっているそうですが、改良点もあるということです。
また、基板のインピーダンスを下げるためにはバイアを円形に打つと有効であるとの話をして頂きました。
今後、改良を進めていくということなので、期待したいと思います。
出品者のコメント:

VT-25A A2級シングルAMP(トランスレス)高間 さん
トランスレスとするために、入力と出力にトランスを入れています。部屋の棚卸しをしたときに出てきた出力トランスに合う真空管からVT-25Aを選んだということです。
音を押し出す感じがあり、かつ落ち着いた音です。高低のバランスもよく、人の声からギターなどの楽器まで幅広く対応できるアンプのように感じました。

資料はこちら
出品者のコメント:

カンチレバー接合その2 安江 さん
中古のプレーヤに付いてくるP310MCの8割程度は針が折れているとのことです。これは修理しないともったいないということで、2回目の紹介になっています。
オリジナルのボロンカンチレバーと 針折れ品にチタンカンチレバーを接続して修理したものを聴き比べをしました。
修理品はレコードとぶつかって不調ではあったものの、落ち着いた聞きやすい音です。オリジナルのボロンカンチレバーは繊細な伸びのある音でした。修理品の方の音が好みという意見が会場から出ており、十分に使えるものになっています。
興味のある人は、安江さんから修理方法を伝授してもらう価値があると思いました。
出品者のコメント:
 昨年の3月の三土会に続き、カンチレバーの接合についてお話させていただきました。
二液性エポキシが充分に固着していなかったためか…不調でした。
 次回は接合する“カンチレバーの種類”を増やしお聴きいただきたいと考えております。
*製作技術掲示板への投稿も考えております。
DSPラジオ 大塚 さん
キットで売っているラジオをケースに入れ、ロッドアンテナを付けています。チューニング用の50kΩのボリュームだと調整がデリケート過ぎて操作が難しいので10回転のポテンショメータに変更しています。
DSPラジオということで、通常型のラジオだと電波が入り難い和泉橋区民館でもちゃんと電波を掴んでいました。
出品者のコメント:

エレキットの「はこらじ」という超初心者(小学生?)向けのキットを子ども(小4)といっしょに作りました。

キットは半田ごてや工具を使わず、数点のCRやワイヤーを基板のソケットに挿すだけで完成します。
このキットは白い段ボール箱が付いていて、好きなデザインをしてこれに組み付けるスタイルです。

子どもはこれで「音が出た!」と大喜びでしたが、歴戦(?)の私にはちょっと物足りないです。

まあ、¥2,300-でこれだけ楽しめれば十分ですが、使っていると欠点も見えてきます。

・ケースが段ボールなので、いずれ壊れそう。
・チューニングは回転角300度のVRで行うのですが、同調範囲が狭すぎて使いづらい。
・AM/FMの切り替えスイッチが小さい上に箱の中で使いづらい。
・アンテナがビニール線でショボい。

ということで、これらを解消する改造を行いました。

部品は秋月や手持ちのジャンクから調達。

プラケース・ポテンショメーター&バーニアダイヤル・トグルスイッチ・つまみ・VR・スピーカー押さえ・イヤホン端子・ファンガード・手持ちのロッドアンテナ

ギャグでホーンスピーカー

といったところです。

以上のパーツを元にケーシングしたところ、まあまあ使い勝手がよくなったと思います。
ホーンスピーカーもガンガン鳴ります。

ラジオとしての感度や音量も十分で、このあたりはさすがエレキットといったところですね。

結局、キットの値段以上に改造に費やしてしまいましたが、BGMがわりに机の上で鳴らしとくには十分なラジオが出来ました。

USB簡易オシロ 松川 さん
パソコンと接続して使用するオシロスコープです。入力はピンヘッダをはんだ付けすることで使えるようになり、2千円くらいで購入できます。
今までは、100均のケースに収めていましたが、ちゃんとしたケースに収めたいということでケースを購入したということでした。
出品者のコメント:
PICAXEの「OSC001 PCB SCOPE」というものです。5〜6年前(相模原に単身赴任してた頃)に友人が購入するというので一緒に購入してもらったものでその当時2000円ぐらいだったと思います。測定分科会に記載しています。
そのときのケーシングは100円ショップのだったのでちょっと大きすぎました。もうちょっとかっこよくするために久しぶりの秋葉原でケースを購入しました。 
ただいまユーザーズマニュアルと格闘中
6AU6ー6F6リップルリダクションアンプ 斉藤 さん
電源のコンデンサ容量が小さいときにリップル電圧が高くなりますが、アンプ側でリップルノイズを1/10程度に低減できる方法の紹介して頂きました。ロフチンホワイトのアンプは直結で有名ですが、発表された当時は大容量のコンデンサが使えない時代でありアンプ回路側でリップルを低減する工夫をしているという側面があるそうです。
MJ96年2月号に宍戸さんの記事があるそうです。
出品者のコメント:
この発表のあと、アンプの周波数特性などを測定して「ラジオ技術 2020年9月号」に記事にしました。1930年のアメリカのオーディオ雑誌に掲載された原典回路も見つかりましたので掲載しています。
ちなみに、このバラック組みのままで表紙になりました(笑)
メディアプレーヤ付きアンプ (EQ.AMP付き) 前田@ さん
メディアプレーヤとEQアンプと TDA7293パワーアンプが入っています。便利に使えるシステムに仕上がっています。
前田さんがマイク感度の測定をしたり、選別するときは、D100MK3とこのシステムをつかっているそうです。

説明資料はこちら
出品者のコメント:
バリバリのクラシックファンの抜作三太郎 こと 前田@です。

 お出かけ用に作ったEqアンプ付きアンプ、搭載していたメディアプレーヤーがMp3のみだったので、ネットでWAVファイル再生可能な安プレーヤーを見つけて載っけ換えて見ました。
 アンプはTDA7293で2個295円、メディアプレーヤーは3個386円とお安くなっています。入出力のコンデンサはセラミックなのでBPケミコン+フィルムコンに換えています。
 マックス 48 kHz/16bit ですが、一応それなりに動作し、それなりの音です。
秋月安スピーカ 前田A さん
秋月で格安で売っていたユニットを使って、組み立てたスピーカーです。内部にもう一個収まっていて、外部のスピーカと内部のスピーカを片側ずつあるいは両方同時に鳴らすことができます。音の違いを聴き比べてみました。工夫次第で面白い使い方ができそうです。

説明資料はこちら
出品者のコメント:
 はやりやまいのお蔭で外出自粛となったので、大昔に買った2個300円〜500円のスピーカーで遊んでみました。
 ダイソーで買ったMDF板をカッターで切り、木工ボンドで貼り付け、対抗型で作りましたが、後ろのスピーカーの固定方法が宜しくない、との指摘を受けましたので、時間が取れたら作り直そうと思っています。

マイク感度測定 前田B さん
今まで色々なマイクを作ってきましたが、それらの感度差をまとめて紹介して頂きました。一番感度の高いものから、大音量対応タイプものまで感度差が20dB程度あるということです。様々な場面に対応できそうです。
また、新しく作った2SA1586の基板を使ったマイクと2SK879の基板を使ったマイクの音を聴き比べました。2SK879の基板を使ったマイクの音が、滑らかで聞きやすい印象です。また、2SA1586の基板でも、E-B間に抵抗を入れた基板の方が落ち着いた音のように聞こえました。

説明資料はこちら
出品者のコメント:
 蝦名さんがマイク用基板を沢山作ってくださったので、いろいろ楽しめています。
 
 マイクカプセルの感度にばらつきがあるのでおおよその感度差ですが、左の表のような違いがありました。
 先日広い範囲で雷が鳴った日がありましたが、DR−100mk3を使って録音する場合は感度の低い物でもギリギリになりそうでした。
 
 会では回路の違いでの音の違いを聞いていただきました。もう少し比較できるような録音を継続したいと思います。

兄孫の音質とDeclipper 前田 さん
アニソンの一部には、音量を上げるために意図的にクリップさせていることがあります。紹介して頂いたいくつかは音質的にも問題がありそうです。そこで、クリップしている波形を滑らかにしてみたらどうなるかという試みです。
しかしながら、曲の大部分がクリップしているような音楽では、確かに音の違いはあるものの、元の音の影響が大きいということが分かりました。

説明資料はこちら
出品者のコメント:
 10年くらい前、深夜アニメを見始めた頃、テレビとCDで主題歌の音質が違い、テレビの方が音が良いことに気がつきました。
 いずれ改善されるかも、と期待していたのですが、つい最近のものも圧縮が酷くて聞けた物ではありません。
 そこで、期間限定で使える De-Clipper を見つけたので改善できないか挑戦してみました。
 結果は、波形は確かに変わるのですが......、残念ながらガッチリ圧縮かけられた音源では改善は難しいようでした。
 こういう酷い音が標準になってしまうのかと思うと残念です。
事務局 さん
手作りアンプの会のアンテナのページ
https://www.tezukuri-amp.org/audio-antena/
のソフトが古くなっており、ブログ、httpsに対応できなくなってきました。
このため、はてなのアンテナのページをお借りして、試しにアンテナのページを作り、テスト中です。
https://a.hatena.ne.jp/audio_antenna/
手作りアンプの会のトップページ
http://www.tezukuri-amp.org/
にも はてなのアンテナ のリンクを入れました。

うまく動くようであれば、はてなのアンテナをメインにすることを考えたいと思います。
出品者のコメント:

スナップショット


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